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Yahoo!JAPANのトップページに、ここ数週間ずっと同じような商品が出てきます。「あなたにおすすめの商品」の欄に並ぶ、トンボ鉛筆のMONO消しゴムです。
「マネーロンダリング用の出品なのか。それとも使いかけのMONOに、本当に価値があるのか」。気になって調べてみました。結論を先に書くと、価値はありません。ただ、マネロンだと断定できる材料もありません。
1.Yahooトップに並ぶ50万円のMONO消しゴム(10月8日)
10月8日の時点で、Yahoo!JAPANのトップページ右側のおすすめ欄に出ていたのは、1個が500,000円、もう1個が400,000円のMONO消しゴムでした。どちらも見た目は100円前後で買えるごく普通の消しゴムです。
500,000円の出品ページを開いてみると、型番はPE-01Aの定番品で、商品状態は「目立った傷や汚れなし」。送料無料で、販売中のままでした。出品者の評価数は0、本人確認済みの表示があり、いいねは42件ついていました。
いいねが42件もついているのが、まず不思議です。本気で買う人が42人いるとは思えません。
1.Yahooトップに並ぶ50万円のMONO消しゴム(10月8日)
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2.10月12日のおすすめに並ぶ使いかけ消しゴム
10月12日には、おすすめ欄の顔ぶれが変わっていました。使いかけの消しゴムが9,600円、トンボ鉛筆のMONOの消し使いかけが10,000円です。50万円と比べるとかなり現実的な価格ですが、それでも定価の100倍近い値段です。
「高く出して、たまたま誰かが買ってくれればラッキー」という出品なのかもしれません。ただ、ここは私の推測です。
2.10月12日のおすすめに並ぶ使いかけ消しゴム
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使いかけの消しゴムに価値はあるのか
MONOの消しゴムは、文具店や100円ショップで100円前後で買える商品です。限定品でも廃番品でもありません。ましてや使いかけは、中古の文房具としても買い手がつきにくいものです。
50万円という価格は、定価の5,000倍です。ここに実用上の価値があると考えるのは無理があります。
こういう出品は、今回が初めてではありません。2022年にも、メルカリでMONO消しゴムが6個で100万円、しかも着払いで出ていたことが、Yahoo!知恵袋で話題になっています。当時の回答は「合図として使われているのでは」「小学生のいたずらでは」と割れていて、答えは出ていません。
マネーロンダリングだとしたら、どういう仕組みか
仮にマネロンだとすると、仕組みはこう考えられます。
1.犯罪などで得たお金を持つ人が、別アカウントで「消しゴムを50万円で買う」
2.出品者側には「商品の売上金」として入る
3.売上金を銀行口座などに出金すれば、「フリマで稼いだお金」に見える
「商品の代金」という形をとれば、お金の出どころが説明しやすくなる、という発想です。メルカリで漫画が105万円で売れたように見えた件でも、同じ疑惑がネットで出ましたが、そのときも証拠はなく、在庫数の仕様で「SOLD」と表示されていただけ、という説明もありました。
ただ、この方法には弱点が多いと私は思います。
- 販売手数料が5%かかる(50万円なら2万5千円)
- 銀行口座への出金には手数料がかかる(PayPay銀行やPayPay残高への移行は無料とされています)
- 出品ページが公開されていて、誰でも見られる
- 「おすすめ」に載るほど目立ってしまう
お金を隠したい人が、わざわざ全国の人に見える場所で、50万円の消しゴムを目立たせるでしょうか。隠すどころか、一番目立つやり方です。
なお、Yahoo!フリマの販売価格の上限は、2026年7月に30万円から999万9,999円に引き上げられています。50万円や40万円の出品が目立つようになったのは、この引き上げ後です。因果関係までは分かりませんが、上限が上がったことで、高額な出品が物理的に可能になった点は押さえておきたいところです。
有力なのは「ポイント目的の形だけの出品」説
Yahoo!知恵袋には、10月7日に「Yahoo!フリマでただのMONO消しゴムが50万円で出ているのはなぜか」という質問が出ています。ベストアンサーの回答は、次の2つを挙げていました。
1.出品すると抽選が引けてPayPayポイントがもらえるので、そのための形だけの出品
2.別のSNSなどで取引を約束し、表向きは消しゴムを売ったことにして、中身の違う物を送る
回答者自身も、2は50万円の消しゴムだと目立ちすぎて現実的ではない、と書いています。
私が調べた範囲では、2026年10月に「出品するとくじが引ける」キャンペーンの案内は確認できませんでした。2024年には「出品スピードくじ」という同様の企画があったので、過去の企画のしくみを知っている人が、似た特典を狙っている可能性はあります。ただ、これは推測です。
他にも、次のような可能性が考えられます。
- 単なるいたずらや悪ふざけ
- 注目を集めたいだけ(いいねが42件ついているのは、まさにその結果です)
- 相場感のない新規ユーザーの勘違い
- 自分で買って現金化する、カードの現金化に近い使い方
なぜ私のトップページに出てくるのか
ここも私の推測ですが、いいねが多く集まる出品や、よくクリックされる出品は、おすすめに表示されやすいのではないでしょうか。「変な出品だから見に行ってしまう」人が多いほど、おすすめに出続ける仕組みになっている可能性があります。
つまり、見に行けば行くほど、同じ出品が目の前に並びやすくなるわけです。気になる気持ちは分かりますが、広めたくなければ、あまりクリックしないほうがよさそうです。
おわりに
- 使いかけのMONO消しゴムに、50万円の価値はありません。
- マネーロンダリングだと断定できる材料は、今のところ見つかりませんでした。 疑惑はネット上の憶測で、運営や警察の公式な確認も見当たりません。
- 有力なのは、ポイント目的の形だけの出品や、悪ふざけ・注目集めです。
- ただし、出品者と買い手の双方がグルになるタイプの不正取引は、外から見ただけでは区別がつきません。
私たち利用者ができることは、次のとおりです。
- 異常な価格の出品は、買わない。運営の通報機能を使う
- 「取引ナビ外で連絡しましょう」と誘われたら応じない
- 「出品して売れたら報酬」「口座に入ったお金を指定先に送るだけ」というアルバイトには、絶対に手を出さない
最後の点は大事です。2026年6月に改正された犯罪収益移転防止法で、報酬目的で被害金を指定口座に送る、いわゆる「送金バイト」に罰則が新設され、7月10日に施行されました。口座売買の罰則も、3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げられています。フリマアプリを使った資金移動に巻き込まれると、「知らなかった」では済まされない時代になっています。
消しゴムが50万円というのは、見ていて面白い話です。ただ、その裏で誰かが得をしているかもしれないと考えると、笑ってばかりもいられません。
参考にした情報
- メルカリでMONO消しゴムが100万円で出品されています。何が目的…(Yahoo!知恵袋)
- ヤフーフリマに、ただのトンボMONO消しゴム…(Yahoo!知恵袋)
- トンボ鉛筆 MONO プラスチック消しゴム PE-01A(Yahoo!フリマ)
- メルカリの「SOLD」は本当に売れた?漫画が105万円で売却され、マネロン疑惑の声(TOY PEOPLE)
- 口座売買を厳罰化へ、閣議決定 「送金バイト」規制で罰則を新設(秋田魁新報)
更新履歴
- 第1稿投稿 2026年10月21日 17時25分(記事コンテンツアップ)