YOUthDIG 2018(ユース・ダイアログ・オン・インターネットガバナンス トビリシ会合) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

YouthDIG 2018 トビリシ — サムネイル

3行まとめ

YouthDIG 2018 トビリシ — 3行まとめ

  1. 2018年6月2〜4日、ジョージア・トビリシで第2回YOUthDIGが開かれました。欧州の18〜30歳がテックパーク・ジョージアなどに集い、EuroDIG 2018本会合(6月5〜6日)に向けて2日間の集中プログラムをこなしました。
  2. 成果物のユースメッセージ2018はアクセシビリティ、デジタルリテラシー、ネット規制とデータプライバシーなど5テーマ。「オンラインの犯罪はオフラインの犯罪と同じ重さで扱え」などの提言を、開催国のジョージア語を含む14言語で発信しました。
  3. 欧州評議会ユース部局やISOCの実務家、地元スタートアップとの交流も組み込まれ、旧ソ連圏開催ならではの回になりました。若者提言の多言語発信は日本の若者参画にも示唆的です。

こんにちは、中澤です。この記事は YOUthDIG 2018(ユース・ダイアログ・オン・インターネットガバナンス トビリシ会合) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

YouthDIG 2018 トビリシ — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 YOUthDIG 2018(ユース・ダイアログ・オン・インターネットガバナンス トビリシ会合)
会期 2018-06-02 〜 2018-06-04(2日は到着日。プログラム本体は3〜4日の2日間)
会場 トビリシ(ジョージア)。会場はテックパーク・ジョージア(GITA)とルームズホテル・トビリシ
テーマ 地域の共通課題
成果文書 ユースメッセージ2018 — アクセシビリティ/デジタルリテラシー/みんなのために機能するインターネット/ネット規制・データプライバシー・サイバー犯罪対策/デジタル包摂の5テーマ。開催国のジョージア語やウルドゥー語を含む14言語で公開され、EuroDIG本会合と国連IGFで発表

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

YouthDIG 2018 トビリシ — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. アクセシビリティと若者参画 — 意思決定機関に若者の席を

取り上げたセッション: ユースメッセージ「アクセシビリティ」ほか(若者参画ワークショップ:6月4日9:00、ラリー・ストリックリング氏〔ISOC〕・マイケル・オギア氏進行)

  • 女性・マイノリティ・LGBTQI+など不利な立場の若者の参加を、政府・民間企業・国際機関の資金メカニズムで保障するよう求めました [2][3]
  • 「インターネットガバナンスのステークホルダーの正規機構への若者参加を制度化せよ。例えば意思決定機関への若者代表の配置」と、参加の恒常化を要求 [2][3]
  • ISOCのラリー・ストリックリング氏(元米NTIA局長としてIANA監督権移管を主導した人物)が「どう関与するか」の実践的な助言を行うセッションも置かれました [2][3]

2. 情報障害とデジタルリテラシー — 誤情報に居場所を与えない

取り上げたセッション: ユースメッセージ「デジタルリテラシー」

  • 「誤情報(mis-)・偽情報(dis-)・悪意ある情報(malinformation)を誰も容認すべきでなく、それを作り広める者に足場を与えてはならない」と宣言し、情報障害への批判的思考にもっと資源を割くよう求めました [3]
  • 詐欺の見分け方、ネチケット、デジタル市民としての権利と責任の理解など、安全に使いこなすための教育を「デジタルリテラシー向上に不可欠」と位置づけました [3]
  • リテラシー教育は2017年の初回メッセージから続く最優先テーマで、若者側の一貫した要求軸になっています [3]

3. ネット規制・プライバシー・サイバー犯罪 — オンラインの犯罪も同じ重さで

取り上げたセッション: ユースメッセージ「ネット規制、データプライバシー、サイバー犯罪への法的保護」

  • GDPR施行(2018年5月25日)直後の開催で、「誰もが自分のデータの使われ方を決める権利を持つべきで、その権利は合理的に行使可能でなければならない」と訴えました [3]
  • 「オンラインで行われた犯罪には、オフラインの犯罪と同じ深刻さと優先度を与えよ。ただし対処はオンライン環境に適した手段で」という原則を打ち出しました [3]
  • 規制は政府・仲介者が執行しつつ、エンドユーザーの権利を強化・保護する仕組みであるべきだと整理しました [3]

4. ホスト国ジョージアの文脈 — テックパークと欧州評議会ユース部局

取り上げたセッション: テックパーク・ジョージア見学とスタートアップ討論(6月3〜4日)、人権ワークショップ(6月3日11:00、ルイ・ゴメス氏〔欧州評議会ユース部局教育研修課長〕)

  • ジョージア政府のイノベーション・技術庁(GITA)が運営するテックパーク・ジョージアでラボ見学と地元スタートアップとの討論を実施。欧州インターネット産業協会のミハエル・ロタート氏とGITA国際関係部長マリアム・ラシュヒ氏が進行しました [2]
  • 欧州評議会ユース部局のルイ・ゴメス氏らが「ニューメディア時代の人権」「人権アプローチによる若者参画」のワークショップを担当し、人権教育の視点を持ち込みました [2]
  • リモート参加モデレーター研修(ベルナール・サダカ氏)も行われ、フェローがEuroDIG本会合の運営を実地で担う仕組みが強化されました [2]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. この回のいちばんの特徴は?

A. 開催地がジョージアだったことです。政府のイノベーション庁が運営するテックパークで地元スタートアップと議論し、欧州評議会のユース部局が人権ワークショップを受け持つなど、「欧州の東の端」ならではの内容になりました。

Q. ユースメッセージには何が書いてあるの?

A. 5テーマ15項目ほどの提言です。目玉は「オンラインの犯罪はオフラインの犯罪と同じ重さで扱え」「意思決定機関に若者の代表を置け」。GDPR施行直後らしくデータの自己決定権も強く打ち出しました。

Q. 日本に関係ある?

A. あります。提言を14言語(ジョージア語やウルドゥー語まで)に訳して広げる手法は、日本の若者提言を国内向けで終わらせないためのヒントになります。

YouthDIG ってどんな会議?(はじめての方へ)

YouthDIG 2018 トビリシ — YouthDIGの位置づけ

YouthDIGは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2018年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. YOUthDIG 2018(概要・体制・フェローシップ) — EuroDIG Wiki(EuroDIG公式)(参照: 2026-07-22)
  2. YOUthDIG 2018 programme(2-4 June 2018, Tbilisi, Georgia/会場・進行者一覧) — EuroDIG Wiki(EuroDIG公式)(参照: 2026-07-22)
  3. YOUthDIG 2018 messages(ユースメッセージ全文・14言語) — EuroDIG Wiki(EuroDIG公式)(参照: 2026-07-22)
  4. EuroDIG 2018(June 5–6, Tbilisi / Georgia) — EuroDIG Wiki(EuroDIG公式)(参照: 2026-07-22)
  5. YOUthDIG(系列概要と歴代ユースメッセージのアーカイブ) — EuroDIG(eurodig.org)(参照: 2026-07-22)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2026年7月16日 9時03分(記事コンテンツアップ)

— 中澤祐樹