インターネットの日&デンマークIGF 2018(Internetdagen & Dansk IGF 2018) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

Denmark IGF 2018 コペンハーゲン — サムネイル

3行まとめ

Denmark IGF 2018 コペンハーゲン — 3行まとめ

  1. 2018年10月1日、コペンハーゲンのティボリ・ホテルで「Internetdagen & Dansk IGF 2018」が開催。4トラック・20人超の登壇者が集いました。
  2. 基調講演はポンプ世界大手GrundfosのMarianne Kjeldgaard Knudsen氏と、デジタルネイティブ研究者Søren Schultz Hansen氏。法律トラックでは違法コンテンツ遮断と法の支配、DIFOのIT犯罪対策が議論されました。
  3. チャットボット・データビジネスからIoTセキュリティ、社会全体のセキュリティ文化まで、GDPR施行元年のデンマークの論点を凝縮した大会です。

こんにちは、中澤です。この記事は インターネットの日&デンマークIGF 2018(Internetdagen & Dansk IGF 2018) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

Denmark IGF 2018 コペンハーゲン — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 インターネットの日&デンマークIGF 2018(Internetdagen & Dansk IGF 2018)
会期 2018-10-01
会場 ティボリ・ホテル&コングレスセンター(Arni Magnussons Gade 2、コペンハーゲン)
テーマ 地域の共通課題
トラック 技術・ビジネス・法律・Dansk IGFの4トラック、20人超の登壇者
主催 DIFO(Dansk Internet Forum=.dkレジストリ財団)とデンマーク商務庁(Erhvervsstyrelsen)

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

Denmark IGF 2018 コペンハーゲン — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. 基調講演 — 製造業のデジタル化とデジタルネイティブ世代

取り上げたセッション: 基調講演: Marianne Kjeldgaard Knudsen(Grundfos)/Søren Schultz Hansen(著書『Årgang 2012』)

  • 世界最大級のポンプメーカーGrundfosのKnudsen氏が、伝統的製造業がデータとコネクティビティで事業を再定義する道筋を提示 [2]
  • 「2012年生まれ世代」を研究するSchultz Hansen氏は、生まれながらにオンラインの世代が働き方・学び方・顧客像をどう変えるかを論じた [2]

2. 法律トラック — コンテンツ遮断の法の支配とtrusted notifiers

取り上げたセッション: 「Hvad med retssikkerheden, når infrastrukturudbydere skal hindre indhold?」(Kristian Ørmen, Larsen Data)/「DIFOs rolle i bekæmpelse af IT-kriminalitet」(Jakob Truelsen, DIFO)/「Agil erhvervsrettet lovgivning anno 2018」(Maja Lykke Lorenzen, Erhvervsstyrelsen)

  • インフラ事業者に違法コンテンツの遮断を求める流れの中で、法的安定性・適正手続をどう守るかをレジストラ・レジストリ・規制当局の三者が討議 [2]
  • DIFOのJakob Truelsen CEOが.dkドメインの不正利用対策を説明し、商務庁は俊敏(アジャイル)な企業向け立法の在り方を提示。ドメイン管理者が果たすガバナンス上の役割が具体的に示された [2]

3. 技術トラック — IoTセキュリティとウイルス対策の最前線

取り上げたセッション: 「Har du styr på sikkerheden i dine IoT-enheder?」(PwC・Dubex・Zencurity)/「How do we get to the forefront of computer viruses?」(Farell Folly, ミュンヘン大学)

  • Lone Dransfeldt(PwC)、Keld Norman(Dubex)、Henrik Kramshøj(Zencurity)がIoT機器のセキュリティ実務を検証し、普及先行のIoTに残る脆弱性への対処を議論 [2]
  • マルウェア対策の先手をどう打つかを国際研究者が講演し、Dansk IGFトラックでは学校現場から「社会として強いセキュリティ文化をどう築くか」(Jimmy Burnett Nielsen)が提起された [2]

4. ビジネストラック — チャットボット・データビジネス・巨大IT依存

取り上げたセッション: 「Fru Chatbot – kan du hjælpe mig?」「Data som forretningsmodel」(Lars Ettrup, Linkfire)「Hvordan driver vi handel på it-giganternes markedsplads?」ほか

  • 顧客サービスのチャットボット化を、saxo.com・コペンハーゲン大学・労組(HK Stat)が実務・研究・雇用の三面から検証 [2]
  • データを核とするビジネスモデルの実例(音楽マーケティングのLinkfire)に加え、巨大ITのマーケットプレイスに依存した商取引のリスクと電子商取引と実店舗の均衡が議論された [2]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. 何が決まった会議なの?

A. 決定はしない対話の場です。レジストリ財団DIFOと商務庁が共催する年次会議で、技術・ビジネス・法律・IGFの4トラックが並行しました。

Q. 一番モメたテーマは?

A. 違法コンテンツの遮断です。ドメインやホスティングの事業者にどこまで遮断責任を負わせるか、適正手続との緊張が法律トラックで正面から議論されました。

Q. 日本に関係ある?

A. あります。この「インフラ事業者による遮断と法の支配」の議論は、日本の海賊版サイトブロッキング論争(同じ2018年)と完全に重なる論点です。

Denmark IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

Denmark IGF 2018 コペンハーゲン — Denmark IGFの位置づけ

Denmark IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2018年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. Internetdagen 2018 og Dansk IGF 2018(公式サイト・開催概要) — internetdagen.dk(DIFO・Erhvervsstyrelsen, Wayback Machine)(参照: 2026-07-23)
  2. Præsentationer fra Internetdagen & Dansk IGF 2018(事後公開のプレゼン資料一覧・全セッション) — internetdagen.dk(DIFO・Erhvervsstyrelsen, Wayback Machine)(参照: 2026-07-23)
  3. Tidligere år(2018年大会へのリンクを含む過去年一覧) — internetdagen.dk(DIFO・Erhvervsstyrelsen, Wayback Machine)(参照: 2026-07-23)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2026年8月5日 14時03分(記事コンテンツアップ)

— 中澤祐樹