3行まとめ
- 2018年9月28日、キーウのUBI HALLで第9回ウクライナIGF(IGF-UA 2018)が開催。開幕プレナリー「インターネットにおける自由と安全」を軸に、並行セクション方式でサイバーセキュリティ、メディア、子どもの安全、知的財産、デジタル権を討議した。
- 子どものオンライン保護が専門セクションとして設けられ、EUの電子通信規制改革とウクライナ法制の調和も議題に。閉会セッションは世界のインターネットガバナンス体制の進化を総括した。
- 前日には初のユース版(Youth IGF-UA)が同会場で110人超を集めた。2010年から途切れず続く国別IGFが、次世代へ裾野を広げた年として記憶される。
こんにちは、中澤です。この記事は IGF-UA 2018(ウクライナIGF・第9回) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | IGF-UA 2018(ウクライナIGF・第9回) |
| 回次 | 第9回(初開催は2010年9月・キーウ) |
| 会期 | 2018-09-28 |
| 会場 | UBI HALL(キーウ、ドロホジツカ通り8) |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 主催 | インターネット協会(InAU)、ウクライナ産業家企業家同盟(USPP)科学IT委員会、RIPE NCC、Internews-Ukraine、Hostmaster社ほか |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. 自由と安全のバランス — 開幕プレナリーの主題
取り上げたセッション: プレナリー「インターネットにおける自由と安全」(9月28日9:30)
- 表現の自由の確保とサイバーセキュリティ・オンライン脅威対策の両立が、フォーラム全体を貫くテーマとして開幕プレナリーに掲げられた [1][2]
- 並行セクションではサイバーセキュリティとメディア、ネット市場のリスクとデジタル権保護などが討議され、閉会セッション「インターネットガバナンス体制の進化」で世界のIG動向を総括した [1][2]
2. 子どものオンライン安全 — 市民提案で実現した専門セクション
取り上げたセッション: セクション「子どもオンライン: 安全と保護」(12:10〜13:20)
- NGO「ベター・インターネット・センター」の提案を組織委員会がコンセンサスで採択し、子どものオンライン安全を扱う専門セクションが設置された [3]
- 「人がオフラインで持つ権利はオンラインでも保護されるべき」という国連人権理事会決議の原則を基盤に、教育機関サイトの安全性モニタリング調査などが発表された [3]
3. 知的財産保護とEU電子通信規制改革 — 法制調和への道
取り上げたセッション: 並行セクション(知的財産保護/欧州電子通信改革)
- オンラインでの知的財産権保護と、EUで進む電子通信規制改革へのウクライナ法制の対応が並行セクションで扱われた [1]
- DNSをめぐる課題や現代のインターネット市場のリスクも議題となり、EU接近を模索するウクライナのデジタル政策の方向性が議論された [1]
4. ユース参加の制度化 — 第1回Youth IGF-UA
取り上げたセッション: Youth IGF-UA(9月27日、UBI HALL)
- 本会合前日に第1回の本格的なYouth IGF-UAが同会場で開催され、110人超が参加。モデレーターはValeriya Dubytska(NGO欧州メディア・プラットフォーム)が務めた [4]
- サイバー脅威、SNSと子どもの安全、ブロックチェーン、若者のデジタルセキュリティ、ネット中立性などを若者自身が討議し、以後毎年続くユース系列の起点となった [4]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. そもそも何を決める会議なの?
A. 何かを決定する場ではなく、政府・企業・市民社会が対等に話し合う国連方式の対話フォーラムのウクライナ国内版です。2010年から毎年開催され、この2018年で9回目になります。
Q. この年ならではの特徴は?
A. 2つあります。子どものオンライン安全がNGOの提案で専門セクションになったこと、そして前日に初のユース版が110人超を集めて開かれ、若い世代の参加が制度化されたことです。
Q. 日本に関係ある?
A. あります。国別IGFをNGO・業界団体・政府の共同運営で毎年続ける運営モデルは、日本のIGF活動にも参考になります。子ども保護やEU規制への対応は日本でも共通の論点です。
Ukraine IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
Ukraine IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2018年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- IGF-UA 2018 公式アーカイブサイト(9-й Український форум з управління Інтернетом IGF-UA 2018) — IGF-UA組織委員会(参照: 2026-07-17)
- IGF-UA 2018 プログラム(Програма) — IGF-UA組織委員会(参照: 2026-07-17)
- IGFカテゴリ記事(IGF-UA 2018「Дитина онлайн: безпека та захист」セクション) — Better Internet Centre(ウクライナ)(参照: 2026-07-17)
- Youth IGF-UA, Ubi Hall, 27 September 2018, Kyiv(開催報告) — 国連IGF事務局ファイルデポ(Youth IGF-UA提出報告書)(参照: 2026-07-17)
- IGF-UA 公式サイト(2010〜2025年の全回アーカイブ一覧) — IGF-UA組織委員会(参照: 2026-07-17)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2026年7月18日 21時53分(記事コンテンツアップ)
— 中澤祐樹

