コスタリカ・インターネットガバナンス対話 2018(DGI CR) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

Costa Rica IGF 2018 サンホセ — サムネイル

3行まとめ

Costa Rica IGF 2018 サンホセ — 3行まとめ

  1. 2018年9月11日、サンホセのラティーナ大学サンペドロ校で第2回コスタリカ・インターネットガバナンス対話(DGI CR)が開かれ、初回のほぼ倍となる115人が参加しました。
  2. 63件の回答を集めた公開コンサルテーションをもとに「アクセス」「人権」「信頼」の3軸でワーキンググループ討議を行い、公式の技術報告書も公開されました。
  3. パネル聴講型から作業グループ型への転換と、中学生まで巻き込んだ参加拡大が特徴です。小規模国内IGFが2年目で「対話の質」に踏み込んだ事例といえます。

こんにちは、中澤です。この記事は コスタリカ・インターネットガバナンス対話 2018(DGI CR) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

Costa Rica IGF 2018 サンホセ — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 コスタリカ・インターネットガバナンス対話 2018(DGI CR)
回次 第2回(公式技術報告書が「por segundo año consecutivo」と明記。カタログの旧「初開催」表記は誤り)
会期 2018-09-11(8:00〜13:00)
会場 ラティーナ大学サンペドロ校(サンホセ)
テーマ 地域の共通課題
参加者 115(公式技術報告書記載。技術・政府・学生・学術・民間・市民社会の各セクター。地元Lumen Schoolの7〜9年生も参加)
主催 NIC Costa Rica(技術)・MICITT科学技術通信省(政府)・ISOCコスタリカ支部(市民社会)の3者組織委員会
成果文書 公式技術報告書(Reporte Técnico Final)を公開

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

Costa Rica IGF 2018 サンホセ — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. ワーキンググループ方式への転換 — アクセス・人権・信頼の3軸

取り上げたセッション: 本会合(8:00〜13:00、3トピックの作業グループ+全体での開会・結論共有)

  • 第2回は「グループ・デ・トラバホ(作業グループ)」方式を採用。3つのトピックに分かれ、開会と結論発表のみ全体で行う構成に転換した [1][2]
  • 議題は7月2日〜23日の公開コンサルテーション(63回答)で選定。アクセス軸ではネット中立性(31.7%)とブロードバンド、人権軸では「新しい人権を追加すべきか」(38.1%)、信頼軸ではサイバーセキュリティ(34.9%)とデータ保護が上位を占めた [1][2]
  • 回答者の内訳は学術41.3%・政府20.6%・技術20.6%・市民社会12.7%で、学術セクターの厚い参加がこの国の特徴となった [1][2]

2. 参加の拡大 — 115人、中学生まで

取り上げたセッション: 本会合および運営記録

  • 参加者は115人と初回(約70人)からほぼ倍増。技術者・政府・学生・学術・民間・市民社会の多セクター構成を維持した [1][2]
  • 地元のLumen Schoolが運営・受付に協力し、7〜9年生の生徒が参加。子ども世代をインターネットガバナンス対話に直接触れさせる試みとなった [1][2]

3. 準備ウェビナー — ウルグアイの経験に学ぶ

取り上げたセッション: 事前活動(5月12日・6月7日・8月28日ウェビナー、7月12日対話集会)

  • 5月のウェビナー「IGFとは何か、どう参加できるか」にはIGFウルグアイ代表でMAG(IGFマルチステークホルダー諮問グループ)委員のアレハンドラ・エラムスペ氏が登壇し、隣国の運営経験を共有した [1][2]
  • 6月にはイグナシオ・トレホス・セラヤ氏が「差別なき社会経済発展のためのネット中立性」を講義。7月12日にはクリダバットのCIEMI研修センターでISOC関係者による対話集会も開かれた [1][2]
  • 8月28日には本会合の進め方を説明するウェビナーをNIC Costa Ricaのスサナ・チャベス・アラヤ氏が実施し、当日の作業グループ討議に備えた [1][2]

4. 資金の多角化 — ICANN・IGFSAが加わった2年目

取り上げたセッション: 運営面(公式技術報告書より)

  • 予算は6,000米ドルと初年の約2倍。ISOCコスタリカ支部とLACNICに加え、ICANNとIGFSA(IGFサポート協会)が資金拠出者に加わった [1][2][3]
  • 支出は会場設営・資材・ケータリング・広報のほか、公式ウェブサイト開発に充当。ISOC Foundationの助成プロジェクト一覧にも「IGF Costa Rica 2018」が記録されている [1][2][3]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. 何が話し合われたの?

A. 事前の公開アンケートで選ばれた「アクセス」「人権」「信頼」の3テーマです。ネット中立性、インターネット時代の新しい人権、サイバーセキュリティとデータ保護などを、参加者自身が作業グループで議論しました。

Q. 前の年と何が違うの?

A. 形式と規模です。パネルを聴く形から参加者が手を動かす作業グループ型に変わり、参加者は約70人から115人へ。中学生も受付や議論に加わりました。ICANNやIGFSAの資金も新たに入っています。

Q. 日本に関係ある?

A. 国内IGFを2年目にどう育てるかの実例です。公開アンケートで議題を決め、作業グループで結論を出し、報告書を残す——この「小さく確実に回す」型は日本の地域対話にも応用できます。

Costa Rica IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

Costa Rica IGF 2018 サンホセ — Costa Rica IGFの位置づけ

Costa Rica IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2018年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. Edición 2018(公式・開催記録: 2018-09-11 Universidad Latina San Pedro・参加115名・予算6,000ドル) — IGF Costa Rica(igf.cr)(参照: 2026-07-23)
  2. Reporte Técnico Final DGI CR 2018(公式技術報告書:「segundo año consecutivo」・作業グループ方式・コンサルテーション63回答の内訳・準備ウェビナー詳細) — DGI CR 組織委員会(参照: 2026-07-23)
  3. IGF Costa Rica 2018(Beyond the Net助成プロジェクト記録) — Internet Society Foundation(参照: 2026-07-23)
  4. IGF – Diálogo de Gobernanza de Internet de Costa Rica(公式トップ・開催一覧) — NIC Costa Rica / IGF Costa Rica(参照: 2026-07-23)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2026年8月12日 15時50分(記事コンテンツアップ)

— 中澤祐樹