3行まとめ
- 2020年10月13〜14日、新型コロナ対応でNetHuiが初の完全オンライン開催となりました。公式サイトは「今年こそ真の『ネットの集会』になる」と宣言し、国内外どこからの参加も可能にしました。
- SchedとSlackを組み合わせた参加設計、アクセシビリティガイド、安全チーム「Tui」のオンライン移植など、対面文化をネットに載せ替える工夫が施されました。
- 国際参加者向けにマオリ語・マオリ文化の手引きを公式に用意した点も特徴です。結果的にこれが休止前最後の全国大会となり、2024年の復活予定も中止されました。
こんにちは、中澤です。この記事は NetHui 2020 を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | NetHui 2020 |
| 会期 | 2020-10-13 〜 2020-10-14(オンライン開催) |
| 会場 | オンライン開催(初日10:00〜15:20、2日目12:00〜17:30 NZST) |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 主催 | InternetNZ |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. 「真のネットの集会」へ — コロナ下の完全オンライン化
取り上げたセッション: 開催形式の全面刷新(10月13〜14日、NZST)
- 公式サイトは「ニュージーランドで一番愛されるインターネットの集まりが帰ってくる。今年はオンライン開催となり、真の『ネットの集会(net hui)』になる」と、名前に掛けた宣言で完全オンライン化を告知しました [1]
- 「アオテアロアのどこからでも、海外からでも参加を」と門戸を広げ、時間帯も初日午前開始・2日目正午開始と、仕事や家庭と両立しやすい設計にされました [1]
- パンデミックの2020年に国内IGFを止めずオンラインで続行した判断は、同年の各国NRIと歩調を合わせるものでした [1]
2. オンライン参加の設計 — Sched・Slack・アクセシビリティ
取り上げたセッション: 公式「How to participate」ガイド群(参加準備・技術ツール・セッション類型・行動規範)
- スケジュール管理のSchedと討議用のSlackを軸に、オンボーディング手順・機材の準備法・セッションの種類まで案内する参加ガイドが公式に整備されました [1]
- アクセシビリティガイドが用意され、行動規範(Code of Conduct)もオンライン空間に合わせて適用されました [1]
- 「参加者が議題を作る」というNetHuiの核をオンラインでも守るため、討議中心のセッション設計が維持されました [1]
3. Tuiとテ・レオ・マオリ — 安全文化と先住民文化のオンライン移植
取り上げたセッション: 公式ブログ「NetHui, the Tui, and how we build a space for everyone」「Te reo Māori at NetHui」
- 対面開催で参加者を支えてきた安全係「Tui」(ニュージーランドの鳥の名)をオンラインでも配置し、「誰にとっても安全な空間を保つ」というNetHuiの価値を引き継ぎました [1][2]
- 国際参加者向けに、マオリ語翻訳者イアン・コーマック氏の協力でポーフィリ(歓迎儀礼)・フイ・ファーナウなどマオリ語の概念やワイタンギ条約を解説する公式ガイドを公開しました [1][2]
- オンライン化してもカラキア(祈り)やミヒ・ファカタウ(歓迎)といった進行文化を保ち、「hui」の名にふさわしい場であり続けることが意識されました [1][2]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. オンライン開催で何が変わったの?
A. 会場が消えて参加の壁が下がりました。国内のどこからでも、海外からでも参加でき、討議はSlack、日程はSchedで管理。「ネットの集会」という名前どおりの形に初めてなった、と運営自身が宣言しました。
Q. 対面の文化は失われなかった?
A. 工夫して持ち込みました。会場の安全係「Tui」はオンラインの見守り役として続投し、マオリ語のあいさつや歓迎儀礼の解説ガイドまで用意して、hui(集会)としての作法を保ちました。
Q. 日本に関係ある?
A. あります。コロナ下でIGF型イベントをオンライン化した際の実務——参加ガイド・アクセシビリティ・安全チーム——の具体例で、日本のオンライン会議設計にも応用できます。
New Zealand IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
New Zealand IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2020年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- NetHui 2020 公式サイト(オンライン開催告知・日程・参加ガイド、2020年10月28日時点) — InternetNZ(Wayback Machine)(参照: 2026-07-22)
- Te reo Māori at NetHui(国際参加者向けマオリ語・文化ガイド) — InternetNZ(Wayback Machine・NetHui 2020サイト)(参照: 2026-07-22)
- NetHui(2020年オンライン開催の記載) — Wikipedia (en)(参照: 2026-07-22)
- New Zealand IGF(国別イニシアチブ登録ページ) — 国連IGF事務局 (UN IGF Secretariat)(参照: 2026-07-22)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2026年7月11日 15時32分(記事コンテンツアップ)
— 中澤祐樹

