3行まとめ
- 2023年11月23日、ボゴタのロサリオ大学ジョッキークラブ棟で第10回コロンビア・インターネットガバナンスフォーラムが開かれました。21日の第2回Youthサミット、22日の実習と合わせた3日構成のハイブリッド開催です。
- 本会合はデジタル格差と包摂、AIと新興技術、サイバーセキュリティ・サイバー犯罪、そして人権と自由の4パネル。実習ではデジタルウェルビーイングやブロックチェーンとプライバシーが新登場しました。
- 10回の節目に、青年サミットを丸一日の前座から事実上の「第1日」に格上げしたのが最大の変化です。生成AI元年を受けてAIパネルが本会合の正面に据えられました。
こんにちは、中澤です。この記事は 第10回コロンビア・インターネットガバナンスフォーラム(FGI Colombia 2023) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 第10回コロンビア・インターネットガバナンスフォーラム(FGI Colombia 2023) |
| 会期 | 2023-11-23 |
| 会場 | ロサリオ大学 ジョッキークラブ棟(ボゴタ、Cra. 6 #15-18)(カタログで「会場未確定」だった点を公式イベントページの記載「El Foro será híbrido y tendrá lugar en la Universidad del Rosario, Edificio Jockey Club Cra. 6 #15 – 18, en la ciudad de Bogotá y a través de la Plataforma Zoom y YouTube」で確定(2016・2017年と同じ会場に帰還)) |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 開催形態 | ハイブリッド(現地+Zoom・YouTube配信) |
| 主催 | Mesa Colombiana de Gobernanza de Internet |
| 特記 | 第X回(節目の10回目) |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. AIと新興技術 — 生成AI元年の正面議題化
取り上げたセッション: パネル「Inteligencia Artificial – IA y tecnologías emergentes」(11月23日、4パネルの一つ)
- 2022年に実習科目として導入されたAIが、生成AIの爆発的普及を受けて本会合の正式パネルに昇格しました [1]
- 実習側でも「ブロックチェーンと情報のプライバシー」(ディストリタル大学担当)が新設され、新技術の権利影響を学ぶ導線が拡充されました [1]
- Youthサミットも「AIと新興技術」を4テーマの一つに掲げ、世代を跨いでAIガバナンスを議論する構造ができました [1]
2. Youthサミットの本格化 — 丸一日・公募セッション制へ
取り上げたセッション: 第2回コロンビア・インターネットガバナンス青年サミット(11月21日8:00-18:00)
- 18〜35歳の若者(国内外)が企画・運営するサミットが終日枠に拡大し、パネル・実習・基調講演・円卓・ライトニングトークまで形式も多様化しました [1]
- テーマはデジタル包摂、AIと新興技術、デジタル人権、サイバーセキュリティの4本。2023年10月16日まで公募でセッション提案を受け付ける、グローバルIGF型の運営が導入されました [1]
- 翌2024年の第3回(LACNIC協力のサイバーセキュリティ等)へ続く、系列の若者参加制度の確立点です [1]
3. サイバーセキュリティとデジタルウェルビーイング — 市民の安全を二層で
取り上げたセッション: パネル「Ciberseguridad, ciberdelincuencia y seguridad en línea」(11月23日)およびタラー「Bienestar Digital」(11月22日、サバナ大学担当)
- 本会合パネルはサイバーセキュリティを国家防衛から「サイバー犯罪とオンラインの安全」という市民目線に広げて設定されました [1]
- 実習ではサバナ大学担当の「デジタルウェルビーイング」が初登場。過剰接続やメンタルヘルスまで含む新しい安全概念が導入され、2025年の主要テーマ化への出発点となりました [1]
- 定番のマルチステークホルダーモデル(CRC)とデジタルセキュリティ(Colnodo・Telefónica/Movistar・ディストリタル大学)の実習も継続されました [1]
4. 人権と自由、デジタル格差 — 10年目の定点観測
取り上げたセッション: パネル「Derechos humanos y libertades」「Brecha digital e inclusión」(11月23日)
- 第1回(2014年)から続く表現の自由・人権の系譜と、接続格差の系譜がそれぞれ独立パネルとして節目の回にも維持されました [1][2]
- 手話通訳付きのハイブリッド配信を継続し、参加のアクセシビリティ自体を包摂議題の実践として示しました [1][2]
- 会場は2016・2017年のジョッキークラブ講堂への回帰で、大学(学術セクター)が系列のホスト役であることを再確認する選択でした [1][2]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. 10回目で何が変わった?
A. 若者です。18〜35歳が自分たちで企画するYouthサミットが丸一日の「第1日」に格上げされ、セッション公募まで導入されました。本会合の前に若者の日と実習の日が並ぶ3日構成になりました。
Q. 議題の目玉は?
A. AIです。ChatGPT登場後初の開催で、AIと新興技術が本会合の正式パネルに昇格しました。ブロックチェーンとプライバシー、デジタルウェルビーイングの実習も新設です。
Q. 日本に関係ある?
A. 生成AIへの各国の市民対話の立ち上がりを比較するうえで、好個の定点です。ユースの企画枠を公募制にする運営は、日本のIGF関連活動にもそのまま応用できます。
Colombia IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
Colombia IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2023年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- Foro de Gobernanza 2023 — Acerca del 10º Foro Colombiano de Gobernanza de Internet(公式サイト: 会場・3日構成・パネル/タラー担当団体・Youthサミット公募) — Mesa Colombiana de Gobernanza de Internet(Wayback Machine 2023年9月20日スナップショット)(参照: 2026-07-22)
- Foros anteriores(第X回=2023年11月23日・ハイブリッドの記録) — Mesa Colombiana de Gobernanza de Internet (gobernanzadeinternet.co)(参照: 2026-07-22)
- Mesa Colombiana de Gobernanza de Internet(系列の年次開催記録) — Colnodo(Wayback Machineアーカイブ)(参照: 2026-07-22)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2026年7月15日 16時07分(記事コンテンツアップ)
— 中澤祐樹

