本稿は、インターネットガバナンスに継続的に関与している政策実務家・有識者向けに、WHOIS RDAPを巡る論点を整理する。一般向け概説は別記事に譲り、ここでは公的合意と未解決論点の切り分けを意識して記述する。
WHOISは40年前の発明
ドメインの登録者情報を調べるしくみ。GDPRで大きく変わり、今はRDAPという新しい仕組みに移行中です。本論点はICANN/IGFの両プロセスにまたがる中長期テーマであり、政策的含意は単なる技術運用に留まらない。
- 公的合意:ICANN理事会決議、GACコミュニケ等で明示
- 未解決論点:Multi-stakeholderプロセスでの今後の合意形成課題
- 法的含意:GDPR、米国通信法、各国ccTLD規制等との交差
GDPR以降の大変化
GDPR以降の大変化は、政策設計の起点となる論点である。歴史的経緯と現行の制度枠組みを切り分けて理解する必要がある。私の理事経験から言えば、ここを軽く扱うと後段の制度議論が空転する。
RDAPへの移行
制度面の実装について、ICANN公式ドキュメント(AGB、Bylaws、CCWG-Accountability文書)に明記された範囲と、それを超える実務運用の慣行を切り分けて検討する。日本の関係者(JPRS、JPNIC、総務省)との接続論点を含む。
今でも見える情報
今でも見える情報は、ステークホルダー構造の理解なしには議論が成立しない。GAC、GNSO、ccNSO、ASO、At-Large、各SO/AC間の権限配分と意思決定プロセスを踏まえる必要がある。
誰がデータにアクセスできるか
政策実装後の影響については、評価指標(KPI)の選定段階から議論が分かれる。本論点に関しては、評価フレームワーク自体がまだ確立していない領域があり、今後5-10年の継続的な評価が必要となる。
プライバシーと法執行の綱引き
本論点を深掘りするには、ICANN公式アーカイブのトランスクリプト、GAC Operating Principles、関連PDPの作業文書を直接参照することが最短である。表面的なメディア報道では、実務的に必要なニュアンスが落ちる。
本記事内の図解は当方制作のオリジナル(SVG)です。ICANN/IGFの公式写真・スライドを引用する場合は、各セッションのアーカイブページのURLを末尾に明記しています。本文は ICANN/IGF 公式ドキュメント、現地参加メモ、および筆者の経験に基づきます。
参照
- ICANN 公式:
https://www.icann.org/ - IGF 公式:
https://www.intgovforum.org/ - 新gTLD 2026 Round:
https://newgtldprogram.icann.org/en - Applicant Guidebook (2026):
https://newgtldprogram-2026-agb.icann.org/en/2-preamble.html
更新履歴
第1稿投稿 2026年5月25日

