3行まとめ
- 2022年9月24〜25日、第2回ベトナム・ユースIGF(YIGF Việt Nam 2022)がハノイの人文社会科学大学で開かれました。今回は完全対面で150人が参加し、応募803件から選ばれたユース大使92人が全国から集まりました。
- 電子商取引・新興技術・データガバナンス・サイバーセキュリティの4テーマを2日間で討議し、前年に続きユース提言書を政策当局へ提出。国連IGF本体とISOC財団がスポンサーに加わり、国連ジュネーブのIGF事務局のアニヤ・ゲンゴ氏も登壇しました。
- 国内NGO発のユースイベントが2年で国連公式の支援対象に育った成長譚です。日本を含む各国のユースIGFにとって、国際機関との接続で継続性を確保するモデルケースといえます。
こんにちは、中澤です。この記事は ベトナム・ユースIGF 2022(YIGF Việt Nam 2022) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ベトナム・ユースIGF 2022(YIGF Việt Nam 2022) |
| 会期 | 2022-09-24 〜 2022-09-25 |
| 会場 | ハノイ・人文社会科学大学(USSH。タインスアン区グエンチャイ通り336)。完全対面開催(ユース大使は交通費全額支援) |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 参加者 | 150(参加者計150人。うちユース大使92人(応募803件から選抜)、ユース委員会(タスクフォース)+OB 17人。大使+委員会の「ユースチャンピオン」は101人) |
| 主催 | 主催: Vietnet-ICTとYIGFベトナム・ユース委員会 / 共催: 人文社会科学大学(USSH)/ スポンサー: SecDev財団、国連IGF(UN IGF)、ISOC財団、APNIC / 支援: 国連ベトナム、VNNIC / メディア協力: Ybox.vn、iVolunteer Vietnam |
| 成果文書 | 政策当局へのユース提言書1通(2年連続2通目)。SNS・報道リーチ約100万人 |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. 国連の直接関与 — スポンサーにUN IGF、開会挨拶は国連調整官事務所
取り上げたセッション: 開会セッション(9月24日朝)と1日目総括
- この回はスポンサー欄に国連IGF(UN IGF)とISOC財団が加わり、国連ベトナムも支援機関に名を連ねました。一国のユースIGFとしては異例の布陣です [1][4]
- 開会挨拶は国連ベトナム常駐調整官事務所のシン・ウメズ氏、歓迎挨拶は会場校USSHのホアン・アイン・トゥアン学長が行い、1日目の総括には国連ジュネーブのIGF事務局からアニヤ・ゲンゴ氏が登壇しました [1][4]
- 2日目はSecDev財団のマイケル・グレイ氏(シニアプログラムマネージャー)が開会し、2019年の円卓会議から続く同財団の伴走が3年目を迎えました [1][4]
2. 4つのテーマ — 電子商取引からサイバーセキュリティまで
取り上げたセッション: パネル・トークショー(9月24日)と2日目のサイバーセキュリティセッション(9月25日)
- テーマは前年の大使やユース委員会・諮問委員会の協議で「電子商取引」「新興技術とイノベーション」「データガバナンス」「サイバーセキュリティと信頼」の4本に決められました。ユース主導のアジェンダ設定です [1][3][4]
- 1日目はパネル「インターネットガバナンスから見た新興技術とイノベーション」(Vietnet-ICTのンゴ・ミン・チャン所長、Vietcombankのグエン・ホン・タン氏、VNNICのグエン・ティ・トゥー・トゥイ氏、ユース委員会のグエン・ゴック・バオ・ラム氏)に続き、電子商取引(An Phatグループ代表)とデータガバナンス(サイバーセキュリティ専門家ンゴ・ヴィエット・コイ氏)のトークショーが行われました [1][3][4]
- 2日目はサイバーセキュリティ専門家フィリップ・フン・カオ氏のライトニングトーク「なぜサイバーセキュリティか、なぜ今か」で幕を開けました。SecDev財団も2022年大会の焦点を「デジタルセーフティとサイバーセキュリティ」と総括しています [1][3][4]
3. ユース大使制度の定着 — 応募803件、全国から対面参加
取り上げたセッション: 大使公募(8月25日〜9月9日)とロールプレイ・提言書セッション
- 公募は「100人の大使を対面2日間へ、交通費は全額支援」という条件で行われ、803件の応募(前年673件)から92人が選ばれました。応募増は制度の定着を示します [2][1][3]
- 大使は専門家との円卓討議に参加し、ロールプレイでユースメッセージを練り上げ、自らプレゼンテーションを準備して多様な視点からインターネットガバナンスへの意見を発信。成果は前年に続き2通目のユース提言書として政策当局へ提出されました [2][1][3]
- APNIC財団のファン・ニュン氏による「テクノロジーにおける多様性と包摂」セッションが置かれ、女性・多様性の視点も前年から引き継がれました。SNS・報道のリーチは約100万人と、前年(50万人超)から倍増しています [2][1][3]
4. 到達点としての2022年 — その後、系列は休眠へ
取り上げたセッション: (背景情報)
- SecDev財団は「2022年大会は2021年と同規模だった」と記録し、Vietnet-ICTを「中立的な事務局」とするユース委員会主導の運営体制を評価しました [4][3][5]
- 公式サイトは2023年大会(10月7〜8日・ハノイ)を予告しましたが、開催を裏づける一次資料は確認されておらず、2024年以降の開催記録もありません。国連に提出された年次報告書も2021・2022年の2本にとどまります [4][3][5]
- 結果として、UN公認・国連IGF協賛・対面150人という2022年大会が、確認できる範囲でこの系列の到達点となっています [4][3][5]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. 2021年の大会と何が違うの?
A. 開催形式と後ろ盾です。2021年はハイブリッドでしたが、2022年は全国から大使92人の交通費を全額支援して完全対面にしました。さらに国連IGF本体とISOC財団がスポンサーに加わり、国連ジュネーブのIGF事務局スタッフも登壇しています。
Q. 何を話し合ったの?
A. 前年の参加者と協議して決めた4テーマ——電子商取引、新興技術、データガバナンス、サイバーセキュリティ——です。銀行・IT企業・規制当局・専門家が登壇し、締めくくりに若者の提言書を政策当局へ提出しました。
Q. 今も続いているの?
A. 確認できる限り、これが最後の開催です。2023年大会は予告されたものの開催の確証がなく、公式サイトも後に停止しました。だからこそ2022年は、この系列の到達点を記録する大会になっています。
Vietnam Youth IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
Vietnam Youth IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2022年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- Report: Youth Internet Governance Forum Viet Nam 2022(国連IGF事務局提出の公式報告書・PDF 45p) — YIGF Việt Nam / Vietnet-ICT(国連IGF filedepot)(参照: 2026-07-22)
- Diễn đàn Thanh niên Quản trị Internet Việt Nam 2022 chính thức mở đơn tìm kiếm các Đại sứ(大使公募告知・ベトナム語/英語) — YIGF Việt Nam(yigf.vn)※Waybackアーカイブ(2022年9月30日時点)(参照: 2026-07-22)
- Sự kiện(公式サイトの2022年大会計画・4テーマと開催実績一覧) — YIGF Việt Nam(yigf.vn)※Waybackアーカイブ(2024年6月時点)(参照: 2026-07-22)
- Youth rising: A right to help shape the digital world(SecDev財団による東南アジアYIGF支援の総括) — The SecDev Foundation(参照: 2026-07-22)
- Youth Initiatives(Vietnam Youth IGF: 2021・2022年報告書リンク) — 国連IGF事務局 (UN IGF Secretariat)(参照: 2026-07-22)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2026年7月9日 16時50分(記事コンテンツアップ)
— 中澤祐樹

