カンボジアIGF 2025(CamIGF・第1回) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

Cambodia IGF 2025 プノンペン — サムネイル

3行まとめ

Cambodia IGF 2025 プノンペン — 3行まとめ

  1. 2025年12月6〜7日、プノンペンのダイヤモンドアイランド会議場でカンボジア初の国別IGF「CamIGF 2025」が開かれ、2,000人超が参加しました。テーマは「カンボジアの包摂的デジタル社会を築く」です。
  2. UNESCOのインターネット・ユニバーサリティ指標(ROAM-X)評価の勧告が正式発表され、AI時代のオンライン安全、意味ある接続、若者参画とデジタル権利を14超のセッションで議論しました。
  3. 省庁・国連機関・市民社会の4者共催で立ち上がった大規模な初回は、東南アジアの後発国が一気に本格的なマルチステークホルダー対話を持った事例として注目されます。

こんにちは、中澤です。この記事は カンボジアIGF 2025(CamIGF・第1回) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

Cambodia IGF 2025 プノンペン — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 カンボジアIGF 2025(CamIGF・第1回)
回次 第1回=同国初の国別IGF(UN記録の設立年2025と一致)
会期 2025-12-06 〜 2025-12-07
会場 ダイヤモンドアイランド国際会議展示場(プノンペン)・ハイブリッド開催
テーマ Building Cambodia's Inclusive Digital Society(カンボジアの包摂的デジタル社会を築く)
参加者 2,000人超(政府・市民社会・学界・民間・技術コミュニティ、50超の組織)
セッション数 14以上のセッション・ワークショップ、国際登壇者25人超
主催 郵便電気通信省(MPTC)・UNESCO・カンボジアデジタル技術アカデミー(CADT)・Open Development Cambodia(ODC)の共催。国連IGF事務局・ICANN・ISOC・APNIC Foundation等がパートナー
成果文書 UNESCOインターネット・ユニバーサリティ指標(IUI/ROAM-X)評価の勧告を正式発表、ユースIGFカンボジア2025を発足

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

Cambodia IGF 2025 プノンペン — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. ROAM-X評価の勧告発表 — 証拠に基づくデジタル政策へ

取り上げたセッション: IUI(インターネット・ユニバーサリティ指標)勧告の発表セッション

「証拠(エビデンス)は重要です——そしてカンボジアはその証拠に基づいて行動しています」
エスター・マクファーレン(UNESCOプノンペン事務所長代行) [1][4]

  • UNESCOとCADTが実施したインターネット・ユニバーサリティ指標(IUI)評価は、人権(R)・開放性(O)・アクセス(A)・マルチステークホルダー(M)のROAM-X原則にカンボジアのデジタルガバナンスを照らして採点したもの [1][4]
  • 評価勧告が初回CamIGFの場で正式発表され、UNESCOは実施支援の継続を確約した [1][4]

2. 「インターネットはジャングル」 — AI時代のオンライン安全

取り上げたセッション: 開会セッションおよびオンライン安全関連セッション

「インターネットはジャングルのようなものです——機会と道に満ちています」
ソク・プティヴット(郵便電気通信省 国務長官) [1][3]

  • AIの進展を踏まえたオンライン安全、普遍的アクセスと「意味ある接続」、データ保護、デジタルスキル格差が主要議題に並んだ [1][3]
  • チア・ヴァンデット郵便電気通信大臣は、デジタル変革の恩恵を全てのカンボジア人に届けるための省庁横断の協調行動の重要性を強調した [1][3]

3. 4者共催という設計 — 政府・国連・学術・市民社会の同居

取り上げたセッション: 複数セッション

「インターネットの発展とガバナンスは、開かれた、包摂的で透明な対話によって導かれなければなりません」
ティ・トライ(Open Development Cambodia事務局長) [2][4]

  • 共催は郵便電気通信省(政府)・UNESCO(国連)・CADT(学術)・ODC(市民社会)の4者で、パートナーには国連IGF事務局・ICANN・ISOC・APNIC Foundation・APrIGFが名を連ねた [2][4]
  • 国連IGF事務局長のチェンゲタイ・マサンゴ氏も登壇し、初回から国際IGFコミュニティの本流に接続された [2][4]
  • APNIC Foundationの資金支援により、若者代表・技術コミュニティ・先住民コミュニティ・市民社会リーダーの参加が確保された [2][4]

4. 包摂の実装 — 地方・障害者・先住民・若者

取り上げたセッション: 複数セッション

  • 州レベルのステークホルダー、障害者、先住民コミュニティの参加を明示的に組み込み、テーマ「包摂的デジタル社会」を参加者構成で体現した [1][2][4]
  • 併せてユースIGFカンボジア2025が発足し、2023年からODCが育ててきた若者向け活動が国別IGF本体に接続された [1][2][4]
  • 2日間で14超のセッションを50超の組織が支え、報道は現地語・英語・フランス語・中国語の55媒体に及んだ(APNIC Foundation集計) [1][2][4]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. 初開催でいきなり2,000人超って本当?

A. 本当です。省庁(MPTC)・UNESCO・デジタル技術アカデミー・市民社会団体の4者共催で、APNIC FoundationやICANNも支援に入った国家イベント級の立ち上げでした。

Q. 何が決まったの?

A. UNESCOのROAM-X原則に基づく「インターネット・ユニバーサリティ評価」の勧告が正式発表され、これがカンボジアのデジタル政策改善のロードマップになります。ユースIGFも同時に発足しました。

Q. 日本に関係ある?

A. あります。ASEANの隣国が国連の評価枠組みを丸ごと導入してデジタル政策を設計する動きは、日本の対ASEANデジタル協力・投資環境の把握に直結します。

Cambodia IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

Cambodia IGF 2025 プノンペン — Cambodia IGFの位置づけ

Cambodia IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2025年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. Cambodia launches Internet Universality recommendations at first National Internet Governance Forum — UNESCO(参照: 2026-07-23)
  2. Support for Cambodia's inaugural National IGF 2025 — APNIC Foundation(参照: 2026-07-23)
  3. Cambodia Internet Governance Forum(第1回開催の報告) — Digital Watch Observatory (DiploFoundation)(参照: 2026-07-23)
  4. Cambodia IGF 2025(公式サイト: テーマ・セッション数・パートナー一覧) — CamIGF(MPTC・UNESCO・CADT・ODC)(参照: 2026-07-23)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2026年8月3日 12時45分(記事コンテンツアップ)

— 中澤祐樹