第7回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2018) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

Korea IGF 2018 ソウル — サムネイル

3行まとめ

Korea IGF 2018 ソウル — 3行まとめ

  1. 2018年7月5日、ソウル・麻浦のソウル創業ハブで第7回KrIGFが開かれました。テーマは「信頼できるインターネット、透明なガバナンス」、9ワークショップと4講演に約200人が参加しました。
  2. ネットワーク利用料とネット中立性、ヘイトスピーチと表現の自由、フィンテックとデータガバナンス、AI・ブロックチェーン講座まで、経済・人権・ガバナンスの4トラックで議論しました。
  3. のちに世界的論争となる「網使用料」問題の原型を市民団体主催のワークショップが正面から扱った回で、日本のネット中立性・プラットフォーム政策論議にも直結する内容です。

こんにちは、中澤です。この記事は 第7回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2018) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

Korea IGF 2018 ソウル — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 第7回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2018)
会期 2018-07-05
会場 ソウル創業ハブ(ソウル・麻浦)
テーマ 信頼できるインターネット、透明なガバナンス
参加者 200(参加者数はKIGA公式の開催履歴表による概数(約200人))
セッション数 13(公募ワークショップ9本+テーマ講演4本(KISA報道資料。KIGA開催履歴表では13セッション))
主催 KIGA(多者間インターネットガバナンス協議会)・KISAなど18機関・団体が共同開催

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

Korea IGF 2018 ソウル — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. ネットワーク利用料とネット中立性 — 「網使用料」論争の原型

取り上げたセッション: オープンネット主催ワークショップ「ネット中立性とインターネット相互接続」、ワークショップ7「ネットワーク利用料差別」(15:15〜16:45)

  • 共催団体でプログラム委員も務めた市民団体オープンネットが、ネット中立性とインターネット相互接続のワークショップを主催しました(オープンネット活動報告) [4][2]
  • 通信網のコストを誰が負担するのかという韓国発の「網使用料」問題は、のちにコンテンツ事業者対通信会社の国際論争へ発展します。その原型がこの回で公開の場に載りました [4][2]

2. ヘイトスピーチと表現の自由 — 人権トラックの正面対決

取り上げたセッション: ワークショップ8「表現の自由とヘイトスピーチ」(15:15〜16:45)ほか、ワークショップ2「インターネット検閲」

  • ヘイトスピーチ規制と表現の自由の緊張関係を扱うセッションが人権トラックに置かれ、オープンネットも討論に参加しました [4][2]
  • インターネット検閲を検証するワークショップや本人確認制度の議論も並び、「信頼できるインターネット」というテーマを人権の側面から掘り下げました [4][2]

3. フィンテックとデータガバナンス — 第4次産業革命下の信頼づくり

取り上げたセッション: ワークショップ1「フィンテックとレグテック」(11:00〜12:30)、データガバナンス・ニュースサービス関連ワークショップ(13:30〜15:00)

「第4次産業革命時代の次世代インターネットガバナンス構築のため、本フォーラムとともにアジア太平洋インターネットガバナンスアカデミー(APIGA)を通じて、グローバルガバナンス人材を継続的に育成していく(KISA報道資料より、韓国語からの翻訳)」
チュ・ヨンワン(KISAインターネット基盤本部長) [3][2]

  • 金融サービスの革新と安定を両立させるフィンテック・レグテック、個人情報の保護と活用をめぐるデータガバナンス、ニュースプラットフォームの責任などが議論されました(KISA報道資料) [3][2]
  • ポータル大手のニュース配信をめぐる論争が続いていた時期で、「透明なガバナンス」というテーマがプラットフォームの説明責任問題と重なりました [3][2]

4. AI・ブロックチェーン・スタートアップ講座 — 4本のテーマ講演

取り上げたセッション: チュートリアル1「AIとオープンデータ」(11:00〜12:30)、2・3「ブロックチェーン応用」(13:30〜15:00)、4「スタートアップ動向」(15:15〜16:45)

  • ワークショップ9本に加え、AI・仮想通貨・ブロックチェーン・スタートアップを基礎から学ぶ4本のテーマ講演が用意されました(KISA報道資料) [3][2][1]
  • 会場が創業支援施設ソウル創業ハブだったことも相まって、新技術・新産業の担い手をガバナンス議論に呼び込む構成となり、参加無料・Facebook生中継で門戸を広げました [3][2][1]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. そもそも何が決まった会議なの?

A. 決議の場ではありませんが、ネットワーク利用料やヘイトスピーチ対応など、後に法制論争へ発展するテーマを政府・企業・市民が同じテーブルで議論した年次フォーラムです。

Q. 一番モメた点は?

A. 通信網のコストを誰が払うか、です。動画などで通信量が急増する中、通信会社がコンテンツ事業者に利用料を求める韓国特有の構図は、のちに世界的な「網使用料」論争になりました。

Q. 自分に関係ある?

A. あります。網使用料の議論は日本でもNetflixと通信会社の対立などの形で現れましたし、ヘイトスピーチと表現の自由の線引きはSNSを使う誰もが当事者のテーマです。

Korea IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

Korea IGF 2018 ソウル — Korea IGFの位置づけ

Korea IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2018年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. 2018 KrIGF 개요(第7回フォーラム概要) — KrIGF公式サイト(Kr-IGF 한국 인터넷거버넌스포럼)(参照: 2026-07-11)
  2. 2018 프로그램(第7回フォーラム プログラム) — KrIGF公式サイト(Kr-IGF 한국 인터넷거버넌스포럼)(参照: 2026-07-11)
  3. KISA, 2018 한국인터넷거버넌스포럼(KrIGF) 개최(報道資料) — KISA 한국인터넷진흥원(参照: 2026-07-11)
  4. Korea Internet Governance Forum (KrIGF) 2018(共催・参加報告) — Open Net Korea(오픈넷)(参照: 2026-07-11)
  5. 한국 인터넷거버넌스포럼 (KrIGF) 소개・개최 이력(開催履歴表) — KRNIC 한국인터넷정보센터(KISA運営)(参照: 2026-07-11)
  6. 2025년 제14회 한국 인터넷거버넌스포럼 세미나 정보(歴代テーマ一覧を含む) — 韓国国会図書館(국회도서관)(参照: 2026-07-11)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2018年7月7日 10:00(記事コンテンツアップ)

第2稿更新 2026年7月16日 20:09(詳報版へ全面改稿:3行まとめ・議事録ダイジェスト・3分ショートトーク・出典一覧・図解を追加(引用は出典実在のもののみ収録))

— 中澤祐樹