BIGF 2025(バングラデシュIGF・第20回) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

Bangladesh IGF 2025 ダッカ — サムネイル

3行まとめ

Bangladesh IGF 2025 ダッカ — 3行まとめ

  1. 2025年10月30日〜11月1日、ダッカで第20回バングラデシュIGF(BIGF 2025)がハイブリッド開催されました。テーマは「グローバルサウスにおけるデジタルガバナンスの構築」。「インターネットの父」ヴィント・サーフ氏が開会に連帯スピーチを寄せました。
  2. 2024年8月の政変後に発足した新体制での初の通年フォーラムで、暫定政権のICT担当特別補佐官が閉会の主賓を務め、サイバーセキュリティ法と表現の自由、偽情報とメディアの信頼、テクノロジーを利用したジェンダー暴力(TFGBV)まで踏み込みました。
  3. 2006年の第1回から数えて20回目という南アジア最古級の節目です。政権交代後の国で国内IGFがどう再出発するかを示す実例であり、国連IGFのNRI担当者も国連から連帯メッセージを寄せました。

こんにちは、中澤です。この記事は BIGF 2025(バングラデシュIGF・第20回) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

Bangladesh IGF 2025 ダッカ — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 BIGF 2025(バングラデシュIGF・第20回)
会期 2025-10-30 〜 2025-11-01
会場 ダッカ(ハイブリッド開催。会場名は公式資料に明記なし)
テーマ Building Digital Governance in Global South(グローバルサウスにおけるデジタルガバナンスの構築)(開会セッション名は「Building Digital Governance in Bangladesh」、閉会セッション名は「Bangladesh Context: Building Digital Governance in the Global South」)
主催 バングラデシュ・インターネットガバナンスフォーラム(BIGF、2024〜26年期執行委員会: 議長モハンマド・アミヌル・ハキム)。ISOCバングラデシュ支部が共催
特記 第20回・設立20周年の節目の大会

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

Bangladesh IGF 2025 ダッカ — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. 開会 — ヴィント・サーフの連帯スピーチと20回目の節目

取り上げたセッション: セッション02 開会式「Building Digital Governance in Bangladesh」(10月30日 16:00〜17:30)

  • GoogleのVP兼チーフ・インターネット・エバンジェリストで「インターネットの父」の一人ヴィント・サーフ氏が連帯スピーチを寄せ、20回目の節目に国際的な重みを添えました [1]
  • 基調講演は国際標準大学のハキクル・ラーマン教授「デジタルガバナンス — 包摂的で知的なバングラデシュに力を」。歓迎挨拶は長年BIGFを支えてきたAHM・バズルル・ラーマン氏が行いました [1]
  • APNIC執行理事会メンバーのスモン・アハメド・サビル氏やICANN南アジア担当も登壇し、初日はフェローシップ案内の新規参加者オリエンテーションから始まる、次世代育成を意識した構成でした [1]

2. 政変後のガバナンス — サイバーセキュリティ法と表現の自由、偽情報

取り上げたセッション: セッション09「The Cyber Security Act and Freedom of Expression: Finding a Balanced Path」「Media and Digital Trust: Safeguarding Public Confidence in the Age of Disinformation」(11月1日 14:30〜15:45)

  • 旧政権下で表現弾圧に使われたと批判される法制の後継、サイバーセキュリティ法と表現の自由の「均衡ある道」を正面から議論するセッションが置かれました [1][2]
  • 偽情報時代のメディアと公共の信頼をめぐる報告には、AFP通信のデジタル検証編集者やジャムナTVの研究者、全国紙の科学・ICT部門長が登壇し、ファクトチェック実務の視点が入りました [1][2]
  • 閉会の主賓は暫定政権のファイズ・アフマド・タイエブ首席顧問特別補佐官(郵政・電気通信・IT担当)で、モデレーターは国際犯罪法廷の検察官でもあるBIGF副議長。政変後の司法・行政の顔ぶれがそのまま壇上に反映されました [1][2]

3. TFGBVと三世代の包摂 — 国連機関が並んだジェンダー暴力セッション

取り上げたセッション: セッション08「Combating Technology-Facilitated Gender Based Violence (TFGBV)」(11月1日 11:30〜13:30)/セッション07 キッズIGF/セッション03 ユース

  • テクノロジーを利用したジェンダー暴力(TFGBV)対策のセッションに、UNFPA・UN Women・プラン・インターナショナル・IPASの担当者と法律扶助機関の判事級職員が登壇し、国連機関と実務家が横並びで議論しました [1]
  • キッズIGF「Smart Kids, Safe Internet」では小中高生がワークショップ形式で議論し、ユースセッションにはユースIGFインドのコーディネーターも参加してグローバルサウスの若者連携を打ち出しました [1]
  • AIとデジタル格差を扱うセッションや、農村の食料システムとデジタルリテラシーを結ぶ学生発表もあり、包摂テーマが全日程を貫きました [1]

4. 国連との接続 — アニャ・ゲンゴの連帯スピーチとグローバルサウス論

取り上げたセッション: セッション10 閉会式「Bangladesh Context: Building Digital Governance in the Global South」(11月1日 16:00〜17:30)

  • 国連IGF事務局でNRI(国別・地域・ユースIGF)担当フォーカルポイントを務めるアニャ・ゲンゴ氏が閉会式に連帯スピーチを寄せ、国内フォーラムと国連プロセスの接続を象徴しました [1][2][3]
  • 「グローバルサウスにおけるデジタルガバナンス構築」をバングラデシュの文脈で総括する閉会基調をAHM・バズルル・ラーマン氏が行い、先住民族フォーラム事務局長サンジーブ・ドロン氏が少数者の視点を加えました [1][2][3]
  • 感謝の辞は新体制の議長モハンマド・アミヌル・ハキム氏(元ISPAB会長)。政変を経た新執行部(2024〜26年期)による20周年の締めくくりでした [1][2][3]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. 20回目で何が変わった?

A. 運営の顔ぶれです。2024年8月の政変後に選ばれた新執行部(議長は業界出身のアミヌル・ハキム氏)による初の通年フォーラムで、旧政権期に議長を務めた与党政治家は壇上から姿を消しました。

Q. 一番踏み込んだテーマは?

A. サイバーセキュリティ法と表現の自由です。旧政権下の弾圧に使われた法制の後継をどう均衡させるかを、暫定政権のICT担当特別補佐官やAFPの検証編集者を交えて議論しました。

Q. 日本に関係ある?

A. あります。ヴィント・サーフ氏や国連IGF事務局が直接メッセージを寄せる国内フォーラムの姿は、国連IGFと各国をつなぐNRIの仕組みそのものです。偽情報対策やTFGBVは日本の政策議論とも共通します。

Bangladesh IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

Bangladesh IGF 2025 ダッカ — Bangladesh IGFの位置づけ

Bangladesh IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2025年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. 20th BIGF 2025 Program Schedule(公式・全10セッションのプログラム) — Bangladesh IGF(bangladeshigf.org)(参照: 2026-07-17)
  2. Bangladesh IGF(NRI会合ノード: 2025年10月30日〜11月1日・ダッカ・ハイブリッド) — 国連IGF事務局 (intgovforum.org)(参照: 2026-07-17)
  3. Community Snapshot—November(ISOCバングラデシュ支部による第20回BIGF共催の記録) — Internet Society(参照: 2026-07-17)
  4. Event Wrap: BIGF 2024(第19回=BIGF 2024が2025年1月29日にダッカで開催された記録) — APNIC Blog(参照: 2026-07-17)
  5. About us — Established in 2006・執行委員会2024-2026 — Bangladesh IGF(bangladeshigf.org)(参照: 2026-07-17)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2026年7月17日 19時33分(記事コンテンツアップ)

— 中澤祐樹