夏の富士山麓へ──白糸の滝・音止めの滝・富岳風穴(水が塚公園・富士宮口、2025年7月28日)

夏の富士山麓へ──白糸の滝・音止めの滝・富岳風穴(水が塚公園・富士宮口、2025年7月28日)

2025年7月28日、富士山の南麓を一日かけて巡った。出発点は富士宮口登山道路沿いの水が塚公園。白糸の滝と音止めの滝を歩いたあと、富士五湖エリアに移動して富岳風穴まで足を延ばした。夏の強い日差しの中、水と溶岩と氷が交差する富士山麓の自然スケールを体感した一日だった。

水が塚公園(富士山富士宮口)

富士山富士宮口の五合目へ向かう県道沿い、標高約1,450mに整備されているのが水が塚公園だ。シーズン中は五合目への直行バスが発着し、登山者のみならず観光客にとっても高山の空気を手軽に体験できる拠点となっている。訪れた日は快晴に近い夏空で、広場には積雲が浮かび、緑の芝生とのコントラストが鮮やかだった。

1.水が塚公園(広場と積雲)

1.水が塚公園(広場と積雲)

白糸の滝

白糸の滝は国指定特別名勝・天然記念物に指定された富士山麓を代表する名瀑で、ユネスコエコパーク富士山の範囲にも含まれる。高さ約20m、幅約200mにわたって玄武岩の岩盤から湧き出した伏流水が、無数の糸状の流れとなって落下する。富士山の降雨や雪解け水が何年もかけて溶岩の隙間を浸透し、台地の縁から一斉に湧き出す仕組みだ。「白糸」の名の通り、布を広げたように細い流れが壁面を覆う光景はほかに類を見ない。

平日の昼前後に訪れたが国内外の観光客で賑わっていた。展望台から遊歩道を歩いて滝壺に近づくほど水しぶきの冷気が肌を包む。夏の炎天下から数分で体感温度がまるで異なる別世界に踏み込む感覚があった。

2.白糸の滝(上方展望台から見る岩壁と草原)

2.白糸の滝(上方展望台から見る岩壁と草原)

3.白糸の滝(全景ランドスケープ)

3.白糸の滝(全景ランドスケープ)

4.白糸の滝(アオスジアゲハが水辺に佇む)

水辺の石の上でアオスジアゲハが翅を広げていた。黒地に入る青緑の帯が透き通るような白糸の飛沫と同じトーンで、思いがけず画面に収まった一コマだ。

4.白糸の滝(アオスジアゲハが水辺に佇む)

M1.白糸の滝(Canon EOS R6動画)

5.白糸の滝(魚眼で捉えた地上視点)

Sony α7C + FE 12-24mm F4 Gで地面すれすれから撮影。超広角の視野に滝全体と空、そして渓流が収まる。自分が溶岩台地の端に立っているスケール感が強調される画角だ。

5.白糸の滝(魚眼で捉えた地上視点)

M2.白糸の滝(Sony α7C動画)

6.白糸の滝(滝壺に迫る青緑の水面)

滝壺のすぐそばまで近づいて撮影したカット。透き通った青緑の水面に白い飛沫が絶えず叩きつけられ、岩壁から幾筋もの水が垂れ落ちる。夏の暑さがここで完全にリセットされた瞬間だった。

6.白糸の滝(滝壺に迫る青緑の水面)

7.白糸の滝(豊かな緑と複数の流れ)

7.白糸の滝(豊かな緑と複数の流れ)

8.白糸の滝(木の葉越しに見える虹)

遊歩道の高い位置から葉の隙間ごしに滝を眺めると虹がかかっていた。光の当たり方と角度がぴたりと合った一瞬を切り取れた。

8.白糸の滝(木の葉越しに見える虹)

音止めの滝

白糸の滝から遊歩道を数分歩いた先にあるのが音止めの滝だ。高さ約25mを一気に落下する単独の柱状の滝で、白糸の滝の繊細な幕状とは対照的に豪快な飛沫を上げる。その名の由来には「源頼朝が富士の巻狩りの際、この滝の大音響に馬が驚いたため音を止めるよう命じた」という伝説が残る。

訪れた午後、水しぶきに日差しが届いて虹が架かっていた。展望台から望む滝と虹の構図は、時間帯と天候が重なった好条件のショットだった。

9.音止めの滝(魚眼レンズ・青空と全景)

9.音止めの滝(魚眼レンズ・青空と全景)

10.音止めの滝(スマートフォン・虹と青空)

10.音止めの滝(スマートフォン・虹と青空)

11.音止めの滝(正面から・虹と飛沫)

11.音止めの滝(正面から・虹と飛沫)

M3.音止めの滝(Canon EOS R6動画)

12.音止めの滝(前景の緑と虹)

12.音止めの滝(前景の緑と虹)

富岳風穴

午後、白糸の滝エリアを離れて富士五湖エリアへ向かい、富岳風穴を訪ねた。864〜866年の貞観大噴火で流れ出した溶岩が冷え固まる際にできた溶岩洞窟で、国指定の天然記念物に指定されている。洞内の年間平均気温は約3℃。夏でも内部はジャケットが必要なほど冷え込む。かつては養蚕の蚕種や植物の種子を保管する「天然冷蔵庫」として活用されてきた歴史がある。

現在でも洞内には氷塊や氷筍(こおりたけ)が残っており、真夏に天然の氷の造形を間近に見られる体験は格別だった。外気との温度差は十数度。洞口に踏み込んだ瞬間、空気が別世界のものに変わる。

13.富岳風穴(天然記念物の入口看板)

13.富岳風穴(天然記念物の入口看板)

14.富岳風穴(洞内に残る氷塊)

14.富岳風穴(洞内に残る氷塊)

15.富岳風穴(洞窟通路の奥行き)

15.富岳風穴(洞窟通路の奥行き)

16.富岳風穴(洞内を広角で望む)

16.富岳風穴(洞内を広角で望む)

17.富岳風穴(苔と氷の造形・天然氷筍)

溶岩壁に苔が生い茂り、岩の隙間からは氷筍が立ち上がる。地衣類の黄緑と氷の白の対比が洞内照明に映えて、人工では再現できないアートのような光景だった。

17.富岳風穴(苔と氷の造形・天然氷筍)

18.富岳風穴(周辺の苔むした溶岩樹林)

18.富岳風穴(周辺の苔むした溶岩樹林)

19.富岳風穴(溶岩に根を張る苔の森)

洞窟出口付近、溶岩台地に根を張る苔むした樹林。溶岩と根が複雑に絡み合う地形は青木ヶ原樹海そのものの光景だ。

19.富岳風穴(溶岩に根を張る苔の森)

撮影機材

  • Canon EOS R6 + RF24-105mm F4-7.1 IS STM
  • Sony α7C + FE 12-24mm F4 G(SEL1224G)
  • Sony Xperia 1 II

更新履歴

第1稿投稿2025年7月28日 12時00分
第2稿更新2026年5月25日 03時37分
第2稿更新2026年5月25日 03時27分