3行まとめ
- 2023年9月7〜8日、翌月に迫ったIGF 2023京都の国内事前会合として「日本インターネットガバナンスフォーラム2023」が東京・神田とオンラインで開かれました。日本IGF名義では2回目の全国会合です。
- 京都に日本から提案されたセッションを軸に、子どものオンライン安全、サイバーインシデント対応の国際連携、AI戦略の国際議論、途上国と信頼できるデータ流通、VOD規制などを先行議論しました。
- 日本で初めて開かれるグローバルIGFを1か月後に控え、国内コミュニティが論点と登壇者を仕上げた「本番前の最終リハーサル」にあたる会合です。
こんにちは、中澤です。この記事は 日本インターネットガバナンスフォーラム2023 ~IGF 2023京都の国内事前会合~ を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
📍 開催地は東京(Day 2はオンラインのみ)。京都で開かれたのはグローバルIGF 2023(2023年10月8〜12日、国立京都国際会館)で、本会合はその国内事前会合という別イベント
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 日本インターネットガバナンスフォーラム2023 ~IGF 2023京都の国内事前会合~ |
| 会期 | 2023-09-07 〜 2023-09-08 |
| 会場 | エッサム神田ホール1号館・5階イベントホール2(東京都千代田区)+オンライン(Zoom) |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 主催 | IGF 2023に向けた国内IGF活動活発化チーム |
| 成果文書 | IGF 2023京都に日本から提案されたセッションの紹介と事前議論 |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. IGF 2023京都への最終準備 — 日本提案セッションの予行演習
取り上げたセッション: 全体(9月7〜8日)
- 本会合は「IGF 2023京都の国内事前会合」と明示的に位置づけられ、京都で開かれる第18回IGF(10月8〜12日)に日本から提案されたセッションの紹介と議論が中心でした [1][4][5]
- IGF 2023は総務省が日本政府としてホストし、国立京都国際会館で開催。日本の国内IGF活動にとって最大の受け入れ準備の年でした [1][4][5]
- Day 1は東京・エッサム神田ホールとオンラインのハイブリッド、Day 2はオンラインのみで実施されました [1][4][5]
2. 子どものオンライン安全 — 児童ポルノ対策を国際水準で問う
取り上げたセッション: Day 1「オンライン児童ポルノ対策」(9月7日)
- 立石聡明氏(インターネットコンテンツセーフティ協会/JAIPA)と中井裕真氏(日本ユニセフ協会)が、日本の児童ポルノ対策を国際的な視点から検証しました [3][4]
- 業界団体によるブロッキング運用と、子どもの権利擁護の立場が同じテーブルで議論される、日本らしいマルチステークホルダー構成のセッションでした [3][4]
- このテーマは京都本会合の「子どもの安全」関連議論、さらに2024年以降の生成AI×CSAM議論へと続いていきます [3][4]
3. AI戦略をめぐる国際的議論 — 生成AI元年の論点整理
取り上げたセッション: Day 2「AI戦略をめぐる国際的な議論」(9月8日)
- 市川類氏、江間有沙氏、実積寿也氏、中川裕志氏、羽深宏樹氏というAI政策・倫理の研究者が顔をそろえ、AI戦略をめぐる国際的な議論を整理しました [3][2]
- 生成AIが急速に普及した2023年、AIガバナンスはIGF 2023京都でも主要テーマとなっており、その国内予行として位置づけられるセッションでした [3][2]
4. 国境を越える運用課題 — インシデント対応・データ流通・IoT
取り上げたセッション: Day 1・Day 2の関連セッション
- 登山昌恵氏(JPCERT/CC)が「サイバーインシデント対応者とのグローバルな対話」を紹介し、国境を越えるインシデント対応の連携を議論しました [3]
- 山中敦之氏(国際協力機構)は発展途上国の開発に寄与する「信頼できるデータ流通」の構築を、江崎浩氏(東京大学)はキャンパス/IoTのグローバルな成功事例を紹介しました [3]
- いずれも日本からIGF 2023京都に提案された運用寄り・開発寄りのテーマで、技術コミュニティの強みが表れた構成でした [3]
5. ビデオオンデマンド規制 — 放送と通信の境界を問い直す
取り上げたセッション: Day 1「ビデオオンデマンドに関する規制」(9月7日)
- 水越一郎氏(NTT東日本)、米谷南海氏(マルチメディア振興センター)、実積寿也氏(中央大学)が、各国で進むVOD(動画配信)への規制の動きを検証しました [3][2]
- 放送には規制があり通信にはない、という従来の枠組みが配信全盛期にどこまで維持できるのかという、視聴者の日常に直結する論点でした [3][2]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. この会合は京都で開かれたの?
A. いいえ、東京です(2日目はオンラインのみ)。京都で開かれたのは翌10月のグローバルIGF 2023本会合で、この会合はその1か月前に東京で開かれた国内事前会合です。
Q. 何のための会合?
A. 日本からIGF 2023京都に提案したセッションを事前に披露し、論点を磨くためです。子どもの安全、AI戦略、インシデント対応、データ流通、VOD規制などを先行議論しました。
Q. 自分に関係ある?
A. あります。動画配信への規制やAIのルールづくり、子どものネット安全は生活に直結しますし、ここで磨かれた議論は日本初開催のIGF京都で世界に向けて発信されました。
Japan IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
Japan IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2023年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- 日本インターネットガバナンスフォーラム2023 開催のご案内~IGF 2023京都の国内事前会合~ — JPNIC(参照: 2026-07-11)
- 日本インターネットガバナンスフォーラム2023 開催のご案内(プログラム詳細あり) — JPNIC(参照: 2026-07-11)
- 日本インターネットガバナンスフォーラム2023(プログラム・発表資料) — JPNIC(参照: 2026-07-11)
- 日本インターネットガバナンスフォーラム2023 — Japan IGF(日本IGF公式サイト)(参照: 2026-07-11)
- 「インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)京都2023」の開催 — 総務省(参照: 2026-07-11)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2023年5月29日 14:00(記事コンテンツアップ)
第2稿更新 2026年7月16日 20:09(詳報版へ全面改稿:3行まとめ・議事録ダイジェスト・3分ショートトーク・出典一覧・図解を追加(引用は出典実在のもののみ収録))
— 中澤祐樹

