IGF 2023 Day 0(京都) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

IGF 2023 京都 — サムネイル

3行まとめ

IGF 2023 京都 — 3行まとめ

  1. 2023年10月8日、京都・国立京都国際会館でIGF 2023の「Day 0」が開かれました。本会合に先立つこの日、公式採択された45のプレイベントが7つのテーマ群で一斉に走りました。
  2. 最多はグローバルデジタルガバナンス協力(13件)と格差・包摂(11件)。Women IGFサミット、Beyond 5G/6G、成層圏からのネット接続(HAPS)まで、本会合では扱いきれない実験的テーマが並びました。
  3. ホスト国日本も総務省の「強靱なインフラ構築」(NTT・KDDI・世界銀行が登壇)や「日本発の消費者データ権」を主催し、Day 0は日本のデジタル政策を世界に見せる初日となりました。

こんにちは、中澤です。この記事は IGF 2023 Day 0(京都) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

IGF 2023 京都 — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 IGF 2023 Day 0(京都)
会期 2023-10-08(日曜、IGF 2023本会合〈10/8〜12〉の初日)
会場 国立京都国際会館(京都市左京区)
テーマ 地域の共通課題
主催 国連IGF事務局(プログラム採択)。各セッションは提案組織が運営、ホスト国は日本政府(総務省)

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

IGF 2023 京都 — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. 45件・7テーマ — Day 0という「もう一つのIGF」

取り上げたセッション: IGF 2023 Day-0 Events(10月8日終日)

  • 公式ページはDay 0イベントをテーマ別に「件数の多い順」で掲載。グローバルデジタルガバナンスと協力が13件、デジタル格差と包摂が11件と、本会合同様にガバナンス協力と包摂が最大勢力だった [1]
  • サイバーセキュリティ4件、AIと新興技術6件、人権と自由3件、データガバナンスと信頼5件、持続可能性と環境3件と、テーマの網羅性は本会合に匹敵 [1]
  • IGF LAC Space(中南米NRIの合同スペース)やNRIs調整セッションなど、各国IGFのネットワークがDay 0に集う「ネットワークのネットワーク」機能も担った [1]

2. 日本主催のDay 0 — 能登の教訓前夜の「強靱インフラ」議論

取り上げたセッション: Day 0 Event #203「Building Resilient Infrastructure」(10月8日 12:00 JST/03:00 UTC、WS 2 Room A)

  • 総務省が主催した#203は、災害大国日本の通信インフラ強靱化を世界に共有するセッションで、NTTの防災企画担当森田雅義氏、KDDIの大谷朋広氏、総務省の大塚康裕氏に加え、世界銀行のセス・エアーズ氏、豪州インフラ運輸地域開発通信省、フィリピンPLDTのロデリック・サンティアゴ氏が登壇 [1][2]
  • 「持続可能な開発目標を達成するためのデジタル技術」というサブテーマの下、地震・台風時の通信確保と途上国のインフラ資金調達を接続して議論した [1][2]
  • 総務省はこのほか「日本から世界への消費者データ権」(#142)も主催し、ホスト国がDay 0を政策発信に使う型を示した [1][2]

3. サミット型プレイベント — Women IGFサミットとユース

取り上げたセッション: Day 0 Event #189「Women IGF Summit」(10月8日 09:00 JST〜、WS 2 Room A)ほか

  • Women IGFサミット(#189)は南アフリカのGirlhype Women Who Codeが主催し、UNECAのマクター・セック氏、国連IGF事務局のアーニャ・ゲンゴ氏らが登壇。ジェンダー平等(SDG5)をAI・新興技術の文脈で扱った [1][3]
  • 若者関連ではInsafeネットワークとの共創セッション(#16)などが走り、本会合のユーストラックへの助走となった [1][3]
  • 「メタバース住民との対話」(#134)や「人間らしく不完全である権利」(#194)など、本会合の枠に収まらない実験的セッションもDay 0の持ち味だった [1][3]

4. Beyond 5G/6GとHAPS — 接続の未来を京都から

取り上げたセッション: Day 0 Event #201「Future Network System as Open Platform in Beyond 5G/6G Era」/#205「HAPS: Internet Access for all from the Stratosphere」

  • 次世代通信の国際標準化を睨むBeyond 5G/6Gセッション(#201)が採択され、通信インフラの将来像がAI・新興技術群の一角を占めた [1]
  • 成層圏プラットフォーム(HAPS)による全域接続(#205)は、島嶼・山岳地帯の未接続問題への技術解として格差・包摂群に配置された——日本企業が主導する分野でもあり、ホスト国の産業関心と重なる [1]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. Day 0って何?本会合と違うの?

A. 本会合の開幕前日(実際は同じ初日)に走る公式プレイベント群です。各国政府・企業・NGOが持ち込んだ45のセッションが採択され、本会合より自由なテーマ設定で議論できます。

Q. 京都のDay 0の目玉は?

A. 総務省の「強靱なインフラ」セッションです。NTT・KDDIと世界銀行が並び、災害時の通信確保という日本の得意分野を世界に共有しました。Women IGFサミットやBeyond 5G/6Gも注目を集めました。

Q. 参加しないと損?

A. 実は「通」ほどDay 0を重視します。NRI調整会合など各国IGFのネットワーキングはこの日に集中し、本会合の論点の多くがここで予告編のように示されるからです。

グローバルIGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

IGF 2023 京都 — グローバルIGFの位置づけ

グローバルIGFは、国連の下で2006年から毎年開かれている、インターネットに関わる世界中の人が立場を超えて話し合う国際会議です(マルチステークホルダー方式)。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2023年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. IGF 2023 Day-0 Events(公式採択イベント一覧・テーマ別) — 国連IGF事務局 (UN IGF Secretariat)(参照: 2026-07-23)
  2. IGF 2023 Day 0 Event #203 Building Resilient Infrastructure(総務省主催・登壇者一覧) — 国連IGF事務局 (UN IGF Secretariat)(参照: 2026-07-23)
  3. IGF 2023 Day 0 Event #189 Women IGF Summit(主催・登壇者一覧) — 国連IGF事務局 (UN IGF Secretariat)(参照: 2026-07-23)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2026年8月9日 8時33分(記事コンテンツアップ)

— 中澤祐樹