3行まとめ
- 2013年5月3日、ソウルの建国大学校で第2回KrIGFが開催されました。7セッション・参加約150人と、2セッション・約20人だった第1回から一気に規模が広がりました。
- 主題はマルチステークホルダーモデルと民間参加の拡大。前年末のITU世界会議(WCIT-12)で露呈した「国家主導か、ボトムアップか」という世界的対立が、韓国国内の議論にも火をつけていました。
- 運営はまだKISA主導でしたが、「ここには王がいない」と説く学界や、.krドメインの政府独占管理を批判する市民社会の声が強まり、翌年の民間主導への転換を準備した回といえます。
こんにちは、中澤です。この記事は 第2回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2013) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 第2回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2013) |
| 会期 | 2013-05-03 |
| 会場 | 建国大学校(ソウル) |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 参加者 | 150(セッション数・参加者数はKIGA公式の開催履歴表による概数(参加約150人)) |
| セッション数 | 7 |
| 主催 | KISA(韓国インターネット振興院) |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. マルチステークホルダーモデル — 主題の深化と規模の拡大
取り上げたセッション: 複数セッション
- KIGA公式の開催履歴表によれば、第2回は7セッション・参加約150人へと拡大し、マルチステークホルダーモデルの検討と民間参加の拡大が主題となりました [1][2]
- 2012年12月のITU世界国際電気通信会議(WCIT-12)で国家主導のインターネット管理をめぐり世界が二分された直後で、「誰がインターネットを治めるのか」への関心が韓国でも高まっていました [1][2]
2. 「ここには王がいない」 — 学界・市民社会の問題提起
取り上げたセッション: 第2回に先立つ2013年1月11日に建国大学校・産学協働館で開かれた「インターネットガバナンスフォーラム」討論会(メディアオヌル報道)
「インターネットガバナンスの核心はボトムアップのコンセンサスとマルチステークホルダーだ。ここには王がいない(韓国語からの翻訳)」
— イ・ドンマン(KAIST教授) [2]
- 緑色消費者連帯のチョン・ウンフィ理事は、2004年のインターネット住所資源法以来KISAが.krドメインを一元管理する韓国の体制を、国際的な議論に照らして「はるかに後進的」と批判しました(韓国語報道からの翻訳) [2]
- 進歩ネットワークセンターのオ・ビョンイル活動家は、当時の議論の進め方が民間を排除し、政府によるインターネット統制を可能にしかねないと警告しました [2]
3. 官主導からの脱皮 — 再編前夜のKrIGF
取り上げたセッション: 複数セッション
- GISWatchの国別報告は、2012年・2013年のフォーラムを政府機関KISA主導のトップダウン型運営と位置づけています [3][1]
- 翌2014年の第3回は市民社会・学界・民間の提案による共同開催方式に転換し、同年11月のKIGA(多者間インターネットガバナンス協議会)発足で運営体制が再編されます。第2回はその「転換前夜」の会合でした [3][1]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. 何を話し合った会議なの?
A. マルチステークホルダーモデル、つまり政府・企業・市民社会が対等にインターネットのルールを決める方式を韓国にどう根付かせるか、民間の参加をどう広げるかを話し合いました。
Q. 一番モメた点は?
A. 「インターネットを誰が治めるのか」です。2012年末のITU会議で国家管理強化案に世界が二分され、韓国国内でも.krドメインを政府系機関が独占管理する体制への批判が噴き出していました。
Q. 自分に関係ある?
A. あります。ドメインやネット規制を役所だけで決めるか、利用者も交えて決めるかという論争は、日本を含むどの国のネット利用者にも直結するテーマです。
Korea IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
Korea IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2013年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- 한국 인터넷거버넌스포럼 (KrIGF) 소개・개최 이력(開催履歴表) — KRNIC 한국인터넷정보센터(KISA運営)(参照: 2026-07-11)
- "인터넷 거버넌스, 왜 야단들이야?"(インターネットガバナンス、なぜ騒ぐのか) — 미디어오늘(Media Today)(参照: 2026-07-11)
- Korea, Republic of — Internet governance country report — Global Information Society Watch(APC)(参照: 2026-07-11)
- Republic of Korea IGF(NRI登録ページ) — 国連IGF事務局 (UN IGF Secretariat)(参照: 2026-07-11)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2013年7月16日 09:00(記事コンテンツアップ)
第2稿更新 2026年7月16日 20:09(詳報版へ全面改稿:3行まとめ・議事録ダイジェスト・3分ショートトーク・出典一覧・図解を追加(引用は出典実在のもののみ収録))
— 中澤祐樹

