日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)2017年会合 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

Japan IGF 2017 東京 — サムネイル

3行まとめ

Japan IGF 2017 東京 — 3行まとめ

  1. 2017年、日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)は第17回から第22回まで東京で6回の会合を開き、年頭にはIGF 2016(メキシコ・グアダラハラ)の報告会を併催。3月にはJAIPA主催の「IGF-Japan 2017」も開かれました。
  2. IANA移管後のガバナンス運営、ネット中立性とゼロレーティング、セキュリティ・IoT、IPv6普及と、技術と政策の境界にあるテーマを官民の現場担当者が横並びで議論しました。
  3. 国際会議の議論が日本語で共有され、誰でも参加できる場が年間を通じて複数動く——国内ガバナンス対話の定常運転がほぼ完成した年です。

こんにちは、中澤です。この記事は 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)2017年会合 を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

Japan IGF 2017 東京 — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)2017年会合
会期 2017-01-26 〜 2017-11-30
会場 JPNIC会議室(東京・神田)ほか(ヒューリックカンファレンス〔Internet Week 2017〕)
テーマ 地域の共通課題
主催 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ、事務局: JPNIC)

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

Japan IGF 2017 東京 — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. IGF 2016グアダラハラ報告会 — 11人が語る現地の景色

取り上げたセッション: IGF 2016に関する報告会(1月26日16:00〜17:45、JPNIC会議室。第17回IGCJ会合と連続開催)

  • メキシコ・グアダラハラで2016年12月に開かれたIGF 2016を、総務省の高村信氏、JPNICの奥谷泉氏、JAIPAの立石聡明氏ら11名の参加者が、政府・技術コミュニティ・ビジネスなど各セクターの視点から報告しました [2][4]
  • 123カ国から約2,000人が集ったIGF本会合の議論を日本語で共有し、続く第17回IGCJ会合では年次の総括と今後のIGCJのあり方を意見交換しました [2][4]

2. IGF-Japan 2017 — 移管後の世界とゼロレーティング

取り上げたセッション: IGF-Japan 2017(3月7日、都市センターホテル606会議室。主催: JAIPA、後援: 総務省)

  • ICANNが米国政府の監督を離れて初めての国内フォーラムとして、IGF 2016報告とIANA移管の含意を総括しました [4][5]
  • ネット中立性、特に特定サービスの通信量を無料化する「ゼロレーティング」の是非が主要議題の一つとなりました [4][5]
  • APrIGFバンコク(2017年7月)に向けたユースIGFプログラムへの言及もあり、若手育成が国内議題に上り始めました [4][5]

3. セキュリティとIoTの守り方 — 官民の現場担当が一堂に

取り上げたセッション: 第22回会合 Part 1「セキュリティ・IoTを取り巻く状況」(11月30日、Internet Week 2017内)

  • ヤフー望月健太氏、日本マイクロソフト片山建氏、APNICのPablo Hinojosa氏、NICT久保正樹氏、JPCERT/CC阿部真吾氏、総務省後藤篤志氏、NTTコミュニケーションズ則武智氏と、セキュリティに関わる各組織の担当者が横並びで議論しました [3]
  • IoT機器の急増を背景に、事業者のインシデント対応・国際連携・政府の政策という複数の視点からセキュリティガバナンスを検討しました [3]

4. IPv6の今 — コンテンツ事業者の本音

取り上げたセッション: 第22回会合 Part 2「コンテンツ・データセンター事業者や政府の視点から見たIPv6の今」

  • JストリームやDMM.comラボなどコンテンツ・データセンター事業者が、IPv6対応の実情と課題を率直に語りました(モデレータ: JPNIC岡田雅之氏) [3]
  • 「なぜ移行が進まないのか」を建前抜きで掘り下げる、資源管理コミュニティらしい実務直結のセッションとなりました [3]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. 2017年の国内ガバナンス議論のハイライトは?

A. 年頭のIGF 2016報告会と、3月のIGF-Japan 2017です。前年に完了したIANA移管の「後」の世界をどう運営するかへ、議論の重心が移りました。

Q. ゼロレーティングって何が問題なの?

A. 特定アプリの通信だけ無料にするサービスです。便利な半面、通信会社が「どのサービスを優遇するか」を決めてよいのかという、ネット中立性の根っこに関わる論争になりました。

Q. 自分に関係ある?

A. あります。スマホ料金プランの中立性、IoT家電の安全、動画サービスの通信品質(IPv6)と、この年の議題は生活直結のものばかり。しかもどの場も、誰でも参加できるオープンな会合でした。

Japan IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

Japan IGF 2017 東京 — Japan IGFの位置づけ

Japan IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2017年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)ミーティング一覧 — 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)(参照: 2026-07-11)
  2. IGF 2016に関する報告会・第17回日本インターネットガバナンス会議(2017年1月26日)プログラム・資料 — 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)(参照: 2026-07-11)
  3. 第22回日本インターネットガバナンス会議(2017年11月30日、Internet Week 2017内)プログラム・資料 — 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)(参照: 2026-07-11)
  4. IGF-Japan 2017 開催のご案内 — 一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)(参照: 2026-07-11)
  5. IGF-Japanアーカイブ — 一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)(参照: 2026-07-11)
  6. 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)とは — 日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)(参照: 2026-07-11)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2017年11月22日 14:00(記事コンテンツアップ)

第2稿更新 2026年7月16日 20:09(詳報版へ全面改稿:3行まとめ・議事録ダイジェスト・3分ショートトーク・出典一覧・図解を追加(引用は出典実在のもののみ収録))

— 中澤祐樹