3行まとめ
- 2024年12月4日、第7回IGF MKDがスコピエで開かれました。GEANTのLise Fuhr CEO(国連IGFリーダーシップパネル委員)が歓迎メッセージを寄せ、4つのパネルと研究発表が行われました。
- 国内の若者のサイバーいじめ実態調査、学校でのオンライン安全、女性のサイバー教育「Cyber Pathways」、そしてAIの法的・技術的課題が議論の柱でした。
- 議題の重心が子ども・教育・ジェンダーへ移った回で、インターネットガバナンスが生活課題に接近する流れを示します。同種の議論は日本の学校現場やこども政策にも直結します。
こんにちは、中澤です。この記事は IGF MKD 2024(北マケドニアIGF) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | IGF MKD 2024(北マケドニアIGF) |
| 回次 | 第7回(公式名称: 7th Annual Internet Governance Forum MKD 2024) |
| 会期 | 2024-12-04(公式アジェンダの表題に「7th Annual Internet Governance Forum MKD 2024 – 04.12.2024」と明記) |
| 会場 | スコピエ(会場名は公式アジェンダに記載なし)(受付・コーヒーブレイク・閉会後のカクテルを伴う対面開催で、一部登壇はオンライン発表のハイブリッド。会場名は公式資料で確認できず) |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 主催 | IGF MKD(コーディネーター: Marko Paloski) |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. サイバーいじめ実態調査 — 国内の若者データで語る
取り上げたセッション: 調査発表「サイバーいじめ: 特徴・帰結・マケドニアの若者への影響」(12:10〜12:25、Marina Dodevska氏・Nikola Janev氏)
- 国内の若者を対象にしたサイバーいじめ調査の結果が発表され、続く教育パネルの実証的な土台になりました [1]
- 抽象的な政策論ではなく自国データから議論を起こす構成は、第7回で最も特徴的な試みでした [1]
2. 学校のオンライン安全 — 現場教員と子どもの権利団体が登壇
取り上げたセッション: パネル2「教育におけるオンラインの安全」(12:25〜13:10)
- スコピエの2つの小学校(Lazo Angelovski校・Aleksandar Makedonski校)の教員と、子どもの権利団体「世界初のこども大使館メジャシ(Megjashi)」の代表が、学校現場のオンライン安全対策を議論しました [1]
- 社会イノベーション団体SmartUPのMilena Ignjatova氏が司会を務め、現場・NGO・イノベーションセクターをつなぐ布陣でした [1]
3. 女性とサイバー教育 — 「Cyber Pathways」の成果報告
取り上げたセッション: パネル3「教育者に力を、女性にひらめきを: Cyber Pathwaysの成果と人材育成」(13:30〜14:15)
- 女性のサイバーセキュリティ人材育成プログラム「Cyber Pathways for Women」のマネージャーLiljana Pecova-Ilieska氏(2018年にはGDPRの論者として登壇)の司会で、教育者支援と人材育成の成果が報告されました [1]
- サイバーセキュリティ分野のジェンダーギャップという世界共通の課題を、地域の具体的なプログラムの実績で語るセッションでした [1]
4. AI — 法と技術の二正面の挑戦
取り上げたセッション: パネル4「人工知能 — 法的・技術的挑戦」(14:15〜15:00、司会: Boro Jakimovski教授)
- 法学のNeda Zdraveva教授、FINKIのRiste Stojanov准教授、AI研究者のSvetlana Kordumova博士が、EUのAI法成立を受けた法・技術双方の課題を論じました [1]
- 2018年から7年続くAI定点観測の最新回で、法律家と技術者を同じパネルに置く同フォーラムの型が維持されました [1]
5. デジタル化の潮流と国際接続 — GEANTトップの歓迎メッセージ
取り上げたセッション: 開会(11:00〜11:05)・ICANN講演(11:05〜11:25)・パネル1「デジタル化 — マケドニアと世界の潮流」(11:25〜12:10)
- 欧州学術ネットワークGEANTのLise Fuhr CEO(国連IGFリーダーシップパネル委員)が歓迎メッセージを寄せ、ICANNのAndrea Beccalli氏が「ICANNとインターネットの展望 — グローバルなインターネットを守る」をオンラインで講演しました [1][2]
- パネル1ではマケドニア・テレコムのStanislav Vasilkovski氏、電子信託サービスEvrotrustのKiro Burnazovski氏らが国内外のデジタル化トレンドを議論し、司会は初代コーディネーターのIcokaev氏(AI LEGAL MK)が務めました [1][2]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. そもそも何が決まった会議なの?
A. 決定の場ではなく、政府・学校・企業・NGOが同じテーブルで1年のデジタル課題を語る年次フォーラムの第7回です。今回はサイバーいじめ調査の発表を起点に、教育と安全に議論が集中しました。
Q. 一番の特徴は?
A. 議題の生活化です。国のデジタル戦略やドメインの話から、小学校のオンライン安全、女性のサイバー人材育成へと、テーマが暮らしの現場に降りてきました。
Q. 自分に関係ある?
A. あります。サイバーいじめと学校のオンライン安全は日本の教育現場の最前線の課題ですし、セキュリティ人材のジェンダーギャップ解消も日本のIT業界が向き合う共通のテーマです。
North Macedonia IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
North Macedonia IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2024年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- Agenda 2024(7th Annual Internet Governance Forum MKD 2024 – 04.12.2024 プログラム) — IGF MKD(公式サイト)(参照: 2026-07-11)
- IGF MKD 公式サイト(年次アーカイブ一覧。「8th Annual IGF MKD 2026 – 18.11.2026」の予告により2024=第7回の回次を裏付け) — IGF MKD(参照: 2026-07-11)
- North Macedonia IGF(NRI公式ページ。直接アクセスは403のため検索スニペット経由で確認) — 国連IGF事務局 (UN IGF Secretariat)(参照: 2026-07-11)
- Aleksandar Icokaev – Statement of Interest(初代コーディネーターのIGFSA提出声明。系列史・回次の基準) — IGFSA (Internet Governance Forum Support Association)(参照: 2026-07-11)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2024年6月12日 10:00(記事コンテンツアップ)
第2稿更新 2026年7月17日 12:32(詳報版へ全面改稿:3行まとめ・議事録ダイジェスト・3分ショートトーク・出典一覧・図解を追加(引用は出典実在のもののみ収録))
— 中澤祐樹

