IPアドレスとは?
インターネット通信、スマホやスマホアプリに至るまで、通信に欠かせないIPアドレスと言うものがあります。
IPアドレスは、インターネットプロトコル(Internet Protocol)の通信先、住所として使われています。
インターネット、イントラネットにおいて、他のPCやデバイス、端末とアクセスするのに必須の通信技術となっています。
IP通信には、IPv4とIPv6の2つが主流
2024年7月現在、インターネットプロトコルでは、初代の規格のIPv4、新時代の規格のIPv6の2つがあります。
IPv4は、枯渇している
2000年代から、IPv4のIPアドレスは有限であり、枯渇が見込まれていました。
そして、2024年現在、世界に5つ存在するNIC(ネットワーク情報センター)では、IPアドレスが枯渇しているセクションが多いです。
我が国、日本が割り当てられているAPNIC(アジアパシフィックNIC)では、既にIPv4のIPアドレスは、枯渇しています。
将来的には、IPv6に移行する
2000年代から、まもなくIPv4から、IPv6に移行すると言われ続けて来ました。
しかしながら、通信機器の問題、通信機器のコストの問題、IPv6が必ずしも必要ではない点などがあり、2024年現在、IPv6に移行は完了していません。
部分的に、一部のプロバイダーが、低遅延を謳ったり、通信速度の低下が起きにくい点をPRし、IPv6(IPoE)の導入に積極的な部分があります。
しかし、IPv6では、既存のIPv4にアクセス出来ないと言う致命的な問題があり、「IPv4 over IPv6」と言う技術を併用して、克服しています。
民間では、IPv6の導入が進みつつありますが、大幅に進みが悪いと言わざる負えません。
また、アクセスされる側のウェブサーバーやコンテンツサーバーは、依然としてIPv4が積極的に使われています。
IPv6のアドレスを持たせている場合もありますが、通信経路としては、IPv4が主体の状況です。
更に、携帯ネットワークなどスマホ通信においては、IPv4をキャリア側が使いまわし、プロキシサーバーの様に振舞っています。
ご自身のIPアドレスを確認されると、毎回、もしくは数分おきに、使用しているIPアドレスが異なる事が確認できます。
そういった背景もあり、携帯キャリアでは、IPv4のIPアドレスの枯渇に関して、大きな問題ではなく、IPv6に全面移行するメリットが、無いと言えるでしょう。
IPv6への移行に、大きなハードルはありつつも、将来的には、IPv6が主体となる見込みです。
それが、2030年代なのか、2050年代になるのか、予測は立っていません。
IPアドレスの通信の仕組み
通信するデバイスであるパソコンやスマホでは、相手のデバイスのIPアドレスに向けて通信を行います。
当然、通信元のデバイスでもIPアドレスが必須となります。
カーナビ、ルート案内において、行き先と出発元が決まっていなければ、ルート検索出来ないのと同じです。
必ず、通信元、通信先のIPアドレスが必要となります。
IPv4のIPアドレスとは?
IPv4のIPアドレスは、4つのオクテットに分けられた0~255(256個)の数字で管理されたアドレス情報を用います。
172.16.0.1の様に表記され、1番目はクラスA、2番目をクラスB、3番目をクラスC、4番目をクラスDと呼びます。
アドレス空間としては、256×256×256×256=4,294,967,296個(約43億個)のアドレスを持つ事が出来ます。
プライベートIPアドレスとは?
自宅内ネットワーク、社内ネットワーク向けの閉塞されたイントラネット向けに、プライベートIPアドレスが事前に割り当てられています。
プライベートIPアドレス一覧3種類
プライベートIPアドレスとして、事前予約されたアドレス空間は、下記の3種類です。
- クラスA:10.0.0.0~10.255.255.255(10.0.0.0/8、16,777,216個、約1,677万個)
- クラスB:172.16.0.0~172.31.255.255(172.16.0.0/12、1,048,576個、約104万個)
- クラスC:192.168.0.0~192.168.255.255(192.168.0.0/16、65,536個、約6万個)
一般家庭のルーター、Wi-Fiルーターであれば、3番のクラスCの6万個のプライベートIPアドレスが割り当てられている事が多いです。
一般家庭では、6万台以上のデバイスが必要となる事は、ほぼ無いため、十分な数と言えるでしょう。
小規模企業では、PCなどのデバイスが、1事業所で、同じく6万台を超える事はないでしょう。
逆に、従業員数が10万人以上の大企業であれば、従業員の数以上のデバイスと管理システムやサーバーなどがあり、1番のクラスAが選ばれるでしょう。
大は小を兼ねますが、大きすぎるアドレス空間は、意味をなさないのと同時に、ルーターなどのデバイスに大きな負担、メモリが必要になったりするなど、設備の過剰投資になってしまいます。
同時に、それだけのIPアドレスの空間を管理しなければならず、オーバースペックは、管理の都合上、敬遠される事が多いです。
不動産に例えると、建坪150平米の4LDKの一軒家なのに、土地が10万坪あったら、草木の管理だけで、相当な庭師やメイドさんなどが必要になってしまいます。
普通に考えて、大きくとも、100~200坪(約500平米)程度が十分な土地の広さでしょう。
同様にプライベートIPアドレスに関しても、必要十分な最低限の空間を活用する流れがあります。
プライベートIPアドレス以外は、グローバルIPアドレス
社内LANや家庭内ネットワークに使われているプライベートIPアドレス以外は、外部通信に使われるグローバルIPアドレスになります。
プライベートIPアドレスを除いた約43億個弱のグローバルIPアドレスが存在します。
データのやり取りやネットゲームでは、グローバルIPアドレスが必要
データの送信やネットゲーム(ネトゲ)では、ポート開放によるグローバルIPアドレスが必要です。
また、VPN通信や社内ネットワークへのアクセスの際、ポート使用が必要となる場合が多いです。
VPN通信(仮想ネットワーク、Virtual Private Network)では、社内LANや自宅ネットワークに、出先から入る事ができ、ファイルサーバーや自宅・社内のパソコンへのアクセスが可能です。
一般的な使い方だと、自宅のHDDレコーダーやNAS(ファイルサーバー)に録画したテレビや映像に、電車の中でスマートフォンで視聴するなど、身近な事例もあります。
また、コロナウィルスのパンデミックを持って、テレワークが進み、自宅から社内LAN、社内ネットワークへのVPNアクセスが増えた事もあり、ネットワークに詳しくない人達のよる活用例も爆発的に増えています。
自宅内ネットワークから、サーバーへのアクセス例
自宅内のネットワークから、コンテンツサーバーであるウェブサーバーへのアクセスの例を紹介します。
本図解は、下記想定の通信の例となります。
- ルーターのプライベートIPアドレス:192.168.0.1
- スマートフォンのプライベートIPアドレス:192.168.0.101
- 自宅光回線のIPアドレス:202.100.200.300(300番と言う数字は存在しない。実在すると好ましくないので事例として300番を使用)
- プロバイダのネームサーバー:160.16.74.60(実在のIPアドレス、ns1.ultra-dns.jp)
- ウェブサーバー:133.167.72.19(実在のIPアドレス、nrnic.com)
更新履歴
第1稿投稿 2024年7月27日 20時30分(記事コンテンツアップ)