IGF 2025 オスロ大会 — 20周年の節目、IGFは今後どうなる?

IGF 2025 オスロ — サムネイル

こんにちは、中澤です。

2025年6月、ノルウェーの首都オスロ近郊リレストロームで「IGF 2025」が開催されました。IGFって聞きなれない言葉だと思いますが、ざっくり言うと 「インターネットをみんなでどう使っていくか、世界中の人が集まって話し合う会議」 のことです。今回で20周年という大きな節目。実は「この会議、これからも続けるべきか?」という、ちょっとドキッとする議論まで行われました。

この記事では、専門家じゃなくても「へぇ〜そうなんだ」と読める形で、IGF 2025の中心話題をまとめます。インターネットを毎日使っているあなたに、ちょっとだけ関係のある話です。

会場の雰囲気(公式写真より)

IGF 2025 オスロ — IGF 2025 Oslo 会場・公式
引用元: IGF 2025 Oslo(Diplo / Digital Watch Observatory より)

※ 画像はIGF公式が広く公開しているもので、報道・教育目的での引用は認められています。本記事では引用元を明記のうえ掲載しています。

そもそもIGFって何者?

IGF 2025 オスロ — IGFとは

IGFは「Internet Governance Forum(インターネット・ガバナンス・フォーラム)」の略。国連の下で2006年から毎年開かれていて、政府の人・会社の人・技術者・市民団体・研究者・若者 が同じテーブルで話し合う、ちょっと変わった会議です。

普通の国際会議は「国の代表」だけが話します。でもIGFは違う。「ネットを使う全員が関係者」 という考え方で、立場の違う人を混ぜて議論します。これを「マルチステークホルダー方式」と呼びます。難しく聞こえますけど、要は「町内会みたいに、関係あるみんなで決めよう」ということです。

2025年オスロ大会はどんな感じだった?

IGF 2025 オスロ — オスロ大会概要

項目 内容
開催地 ノルウェー・リレストローム(オスロ近郊)
期間 2025年6月23日〜27日
テーマ Building Digital Governance Together(デジタルガバナンスを共につくる)
セッション数 100以上のワークショップ・円卓会議
参加者 世界中の政府・企業・市民団体・若者

国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏も登壇して、「AIの国際科学パネル」や「データ管理の新しい原則」について触れました。日本からも複数の有識者や若者が参加し、セッションで発言しています。

議論の中心 ① IGFは今後も続けるべき?形を変えるべき?

IGF 2025 オスロ — IGFのこれから

20周年ということで、一番大きな論点がこれでした。

  • 続けるべき派:IGFは「偉い人だけで決めない」世界で唯一の場所。ここをなくすと、ネットのルールが一部の大国だけで決まってしまう恐れがある。
  • 変えるべき派:話し合うだけで「決定」しないので影響力が弱い。もっと具体的な成果を出せる仕組みにした方がいい。
  • 現状維持+強化派:「決めない」ことこそIGFの価値。みんなで自由に話せる場を残しつつ、予算や事務局を強化しよう。

どれも一理ある話で、答えは出ていません。ただ、「日本のようにきちんと意見を持ち込む国が増えれば、IGFはもっと機能する」 という声は多く聞かれました。

議論の中心 ② グローバルデジタルコンパクト(GDC)との関係

IGF 2025 オスロ — IGFとGDCの関係

2024年に国連で「グローバルデジタルコンパクト(GDC)」という新しい合意ができました。ざっくり言うと「AIの時代にネットをどう守るか、世界で合意したルール集」です。

IGF 2025では「GDCを実際に動かすにはどうする?」が大きな話題に。ルールを作っても、現場で実行されなければ意味がない。そこで「IGFがGDC実行の"場"になれるのでは」という議論が盛り上がりました。

つまり IGF = 話し合う場所、GDC = みんなで合意した目標、両方を組み合わせる というイメージです。

私たち日本の一般ユーザーに関係ある?

IGF 2025 オスロ — 日本と私たちへの影響

「国連の会議でしょ?自分には関係なくない?」と思いますよね。でも実は、IGFで議論されたことは、数年後にあなたのスマホの中のアプリに反映されます

たとえば、

  • SNSで悪質な投稿をどう消すか(→SNSアプリのルール変更につながる)
  • AIが勝手に人の顔写真を加工していいのか(→生成AIアプリの規制につながる)
  • ネットがつながりにくい地域をどうするか(→地方の通信インフラ投資につながる)

こういう「あなたの毎日のネット体験」に関わる話を、世界中の人が先回りして議論している場所、それがIGFです。

まとめ:若い人・一般の人こそ参加してほしい

IGF 2025 オスロ — 参加のすすめ

IGF 2025では、20代の若者や、専門家ではない一般市民の参加が少しずつ増えてきたものの、日本からの若者の参加はまだ少ない のが現状です。

「英語が……」「専門知識が……」と思うかもしれませんが、IGFはオンライン参加もできます。日本語でのフォローアップ会議(日本IGF)も開かれています。まずは日本IGFをのぞいてみるところから、あなたも世界のネットの未来づくりに参加できます。

日本IGF支援機構は、こういう「一般の人が気軽にIGFに触れられる入り口」を増やしていく活動をしています。次の記事では、IGF 2025の個別セッションをもっと具体的に紹介します。


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更新履歴

第1稿投稿 2026年4月27日 8時48分(記事コンテンツアップ)

— 中澤祐樹