第9回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2020) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

Korea IGF 2020 オンライン — サムネイル

3行まとめ

Korea IGF 2020 オンライン — 3行まとめ

  1. 2020年8月21日、第9回韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2020)が「パンデミック時代のインターネットガバナンス — ニューノーマル・連結・安全」をテーマに、KrIGF史上初の完全オンライン形式(Zoom・YouTube)で開かれました。
  2. 防疫と個人情報保護の均衡、非対面社会の情報格差、データ3法で格上げされた個人情報保護委員会への注文など、コロナ禍と法改正が重なった年ならではの議題を9ワークショップと2講義で扱いました。
  3. 感染症対策とプライバシーの緊張は日本でも接触確認アプリなどで経験した課題です。危機の年でも対話を止めなかった隣国の国内IGF運営は、日本の関係者にも示唆があります。

こんにちは、中澤です。この記事は 第9回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2020) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

📍 新型コロナウイルス感染拡大を受けた、KrIGF史上初の完全オンライン開催

大会の基本情報(公式発表より)

Korea IGF 2020 オンライン — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 第9回 韓国インターネットガバナンスフォーラム(KrIGF 2020)
回次 第9回
会期 2020-08-21
会場 オンライン開催(Zoomウェビナー・YouTube中継、10:00〜18:00)
テーマ パンデミック時代のインターネットガバナンス — ニューノーマル・連結・安全(팬데믹 시대의 인터넷거버넌스: 뉴노멀, 연결, 안전)
ワークショップ数 9
主催 韓国インターネット振興院(KISA、キム・ソクファン院長)と多者間インターネットガバナンス協議会(KIGA、イ・ドンマン議長)を含む14の機関・団体・企業が共同開催

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

Korea IGF 2020 オンライン — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. 防疫と個人情報 — 公衆衛生とプライバシーの均衡

取り上げたセッション: ワークショップセッション(COVID-19関連)

  • コロナ禍の防疫措置における個人情報の活用と保護のバランスが、この年のワークショップの主要議題として正面から扱われました [1][2]
  • 感染症対応で大量の個人データを扱った韓国では、危機時のデータ利用に社会的な監視と対話が必要だという問題意識が共有されました [1][2]

2. 統合個人情報保護委員会への注文 — データ3法時代の監督機関

取り上げたセッション: ワークショップ7「統合個人情報保護委員会に望む」(進歩ネットワークセンター提案、司会:ユン・ボクナム弁護士)

  • 2020年1月成立の「データ3法」で個人情報保護委員会が中央行政機関に格上げされたことを受け、新体制の最優先課題を法曹・業界団体・消費者団体・市民社会・委員会当事者が討論しました [3]
  • 個人情報の「保護」と「活用」のバランス、政府のデータ政策からの独立性確保、国際的な個人情報規範づくりへの参加が主な論点でした [3]
  • 情報人権研究所のチャン・ヨギョン氏ら市民社会側と、個人情報保護委員会の担当者が同じパネルに着いたのが特徴です [3]

3. 非対面社会と情報格差 — ニューノーマルの影

取り上げたセッション: ワークショップセッション(非対面文化・情報格差関連)

  • 非対面(非接触)文化の急速な拡大がもたらす情報格差が主要ワークショップ議題の一つになりました [1][2]
  • 教育・行政・消費がオンラインへ移る中で、高齢者などデジタル弱者が取り残されるリスクが論じられました [1][2]

4. AI倫理とDNSの未来 — 講義セッションと国家ドメイン公開討論

取り上げたセッション: 講義セッション2本およびKIGAインターネットアドレス資源分科会の公開会議

  • 「AI倫理ガイドライン」と「DNSの現在と未来」の2本の講義セッションが設けられ、政策議論と基礎知識の共有を組み合わせる構成になりました [1][4]
  • 国家ドメイン(.kr)政策の改善に関する公開討論も併催され、アドレス資源の管理を公開の場で議論する運営が続いています [1][4]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. コロナの年にどうやって開催したの?

A. 完全オンラインに切り替えました。ZoomウェビナーとYouTube中継で、事前登録者は双方向で参加、未登録者も視聴できる形にして、対話の場を絶やしませんでした。

Q. 一番の論点は?

A. 防疫と個人情報のバランスです。感染症対応で大量の個人データを使った韓国だからこそ、「危機のときのデータ利用に歯止めと対話が必要だ」という議論が切実でした。

Q. 日本に関係ある?

A. あります。接触確認アプリや行動履歴の扱いは日本も悩んだ問題です。また韓国が新設した個人情報保護委員会への「注文」の議論は、日本の個人情報保護委員会を考える上でも参考になります。

Korea IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

Korea IGF 2020 オンライン — Korea IGFの位置づけ

Korea IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2020年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. 팬데믹 시대의 '인터넷거버넌스'를 논하다(パンデミック時代のインターネットガバナンスを論じる) — KrIGF事務局(韓国インターネットガバナンスフォーラム公式サイト)(参照: 2026-07-11)
  2. 2020 한국인터넷거버넌스포럼(KrIGF) '팬데믹 시대의 인터넷거버넌스 : 뉴노멀, 연결, 안전' 개최(開催告知) — 進歩ネットワークセンター 情報人権研究所(idr.jinbo.net)(参照: 2026-07-11)
  3. [워크샵 7] 통합 개인정보보호위원회에 바란다(統合個人情報保護委員会に望む) — KrIGF事務局(韓国インターネットガバナンスフォーラム公式サイト)(参照: 2026-07-11)
  4. KISA, 21일 2020 한국인터넷거버넌스포럼(KrIGF) 개최(KISA、21日にKrIGF 2020開催) — NK경제(NK経済)(参照: 2026-07-11)
  5. 한국 인터넷거버넌스포럼(KrIGF) 개최 이력(KrIGF開催履歴表) — KIGA/한국인터넷정보센터(KRNIC)(参照: 2026-07-11)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2020年10月4日 13:00(記事コンテンツアップ)

第2稿更新 2026年7月16日 20:09(詳報版へ全面改稿:3行まとめ・議事録ダイジェスト・3分ショートトーク・出典一覧・図解を追加(引用は出典実在のもののみ収録))

— 中澤祐樹