IGF MKD 2018(北マケドニアIGF) 詳報 — 議事録ダイジェストと3行まとめ

North Macedonia IGF 2018 スコピエ — サムネイル

3行まとめ

North Macedonia IGF 2018 スコピエ — 3行まとめ

  1. 2018年10月末(31日と推定)、スコピエのFINKI(情報科学・計算機工学部)で第2回IGF MKDが開催されました。IGF・SEEDIG・EuroDIG・ICANN・RIPEの代表が国際パートナーとして参加しました。
  2. サイバーセキュリティと信頼サービス、GDPRとAI・知的財産、偽情報とメディアリテラシーの3セッションに加え、若者による「Youth IGF MKD」の結成が発表されました。
  3. 外務省から大学へ会場を移し、若者組織を生んだ「定着の年」です。国内IGFが1回きりのイベントで終わらず制度化していく過程は、各国のフォーラム運営の参考になります。

こんにちは、中澤です。この記事は IGF MKD 2018(北マケドニアIGF) を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。

大会の基本情報(公式発表より)

North Macedonia IGF 2018 スコピエ — 大会 基本情報

項目 内容
正式名称 IGF MKD 2018(北マケドニアIGF)
回次 第2回
会期 2018-10-31(推定。10月下旬は確実)(公式ページに日付の記載なし。青年系ネットラジオRadio MOFが全編収録映像(約4時間)を2018年10月31日に公開しており、当日ないし直前の開催と推定される)
会場 FINKI(聖キリル・メトディウス大学 情報科学・計算機工学部、スコピエ)(マケドニア語版プログラムにFINKI学部長Ivan Chorbev氏を「フォーラムのホスト(домаќин на форумот)」と明記)
テーマ 地域の共通課題
主催 IGF MKD(会場ホスト: FINKI、機関パートナー: 外務省)。IGFSAの資金援助を受けて開催

(出典: 文末の出典一覧を参照)

ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)

North Macedonia IGF 2018 スコピエ — 議論の見取り図

現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。

1. Youth IGF MKDの結成 — 若者を運営の中枢へ

取り上げたセッション: 開会セッション(11:00〜12:00)でのMarko Paloski氏による発表

「登録され公認された国内IGFイニシアチブとして、IGF MKDは2017年と2018年の国内イベントについて、IGFSAから2度にわたり資金援助を受けました(英語声明より翻訳)」
Aleksandar Icokaev(初代コーディネーター、IGFSA提出声明・2023年) [1][2][4]

  • 開会セッションで当時学生だったMarko Paloski氏が「Youth IGF MKD」の結成を発表しました。同氏は2023年に本体のコーディネーターに就任しており、この若者組織が後継育成の入口になりました [1][2][4]
  • IGF側からLynn St Amour氏(IGFマルチステークホルダー諮問グループ議長)、SEEDIGのSorina Teleanu氏、EuroDIGのSandra Hoferichter氏、ICANNのAndrea Beccalli氏、RIPEのChris Buckridge氏が参加し、国内フォーラムとしては厚い国際布陣となりました [1][2][4]

2. サイバーセキュリティと信頼サービス — 学術CIRTと法整備

取り上げたセッション: セッション1「サイバーセキュリティと信頼サービス」(12:00〜12:40)

  • セキュリティ専門家Predrag Tasevski氏が国内サイバーセキュリティの歩みを総括し、FINKIのSonja Filiposka教授が国内初の学術CIRT「FINKI-CIRT」を紹介しました [1][2]
  • 情報社会行政省のAna Malceva氏が電子署名などの信頼サービスに関する法規制を解説し、技術・学術・政府の3セクターが1つのセッションに揃いました [1][2]

3. GDPR施行の年 — データ保護・AI・知的財産

取り上げたセッション: セッション2「データ保護と知的財産」(13:00〜13:40)

  • 2018年5月にEUでGDPRが施行された直後の開催で、市民社会のLiljana Pecova-Ilieska氏がEU非加盟国としてのGDPR対応の課題とジレンマを提起しました [1][2]
  • FINKIのIvica Dimitrovski教授が「人工知能とGDPR」を論じ、React社のEli Mufisovski氏がオンライン上の知的財産保護を扱いました。AIと個人データ保護の緊張関係を国内フォーラムがこの時期に取り上げた早い例です [1][2]

4. 偽情報とメディアリテラシー — 記者と市民社会の対話

取り上げたセッション: セッション3「メディア、メディアリテラシー、偽ニュースと偽情報」(14:00〜14:40)

  • コーディネーターのIcokaev氏(弁護士)、ジャーナリストのBranko Geroski氏、市民団体KonektのNikica Kusinikova氏が、前年に続き偽情報対策を議論しました。名称変更(プレスパ合意)をめぐる国民投票の年で、偽情報が現実政治を揺らしていた時期です [1][2][3]
  • 閉会時に「結論と提言」がまとめられ、若者ラジオ局Radio MOFが全編を収録・公開するなど、市民メディアが記録役を担いました [1][2][3]

3分ショートトーク — よくある疑問に答えます

Q. そもそも何が決まった会議なの?

A. 拘束力のある決定はありません。GDPRへの対応や偽情報対策など、その年の課題を政府・大学・企業・市民が一緒に棚卸しする年次フォーラムの第2回で、最後に結論と提言をまとめました。

Q. 前年からの一番の変化は?

A. 会場が外務省から大学(FINKI)に移り、若者組織「Youth IGF MKD」が生まれたことです。ここで発表役だった学生が5年後に本体の代表になっており、世代交代の仕組みが機能しました。

Q. 自分に関係ある?

A. あります。EU域外の国がGDPRとどう付き合うかという議論は、日本企業の悩みと同じ構図です。偽情報が国民投票を揺らした年の当事国の議論としても読み応えがあります。

North Macedonia IGF ってどんな会議?(はじめての方へ)

North Macedonia IGF 2018 スコピエ — North Macedonia IGFの位置づけ

North Macedonia IGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。

日本の私たちへの影響

この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2018年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。

出典・参考資料

  1. Agenda 2018(IGF MKD 2018 プログラム) — IGF MKD(公式サイト)(参照: 2026-07-11)
  2. Програма 2018(マケドニア語版プログラム。FINKI学部長を「フォーラムのホスト」と明記) — IGF MKD(公式サイト)(参照: 2026-07-11)
  3. ИГФ МКД – Форум за управување со интернетот Македонија(全編収録映像・約4時間・2018年10月31日公開) — Radio MOF(青年教育フォーラム系ネットラジオ)(参照: 2026-07-11)
  4. Aleksandar Icokaev – Statement of Interest(初代コーディネーターのIGFSA提出声明) — IGFSA (Internet Governance Forum Support Association)(参照: 2026-07-11)
  5. IGF MKD 公式サイト(年次アーカイブ一覧) — IGF MKD(参照: 2026-07-11)

※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。


関連リンク

更新履歴

第1稿投稿 2018年6月27日 16:00(記事コンテンツアップ)

第2稿更新 2026年7月17日 12:32(詳報版へ全面改稿:3行まとめ・議事録ダイジェスト・3分ショートトーク・出典一覧・図解を追加(引用は出典実在のもののみ収録))

— 中澤祐樹