3行まとめ
- 2024年11月4〜6日、チリ大学本部棟(サンティアゴ)で第9回Youth LACIGFが開かれました。チリ初開催で、対面117人・総勢243人が43カ国から参加し、16セッションをハイブリッドで実施しました。
- 議題はAIとデータガバナンス、デジタルの権利と自由、サイバーセキュリティと信頼、そして環境の持続可能性と気候変動の4本柱。直後の11月7〜8日には同じサンティアゴで本体LACIGF 17が続き、地域ガバナンス週間を形成しました。
- COVID-19で流れた2020年サンティアゴ計画が4年越しに実現し、環境×デジタルを主要議題に据えた点が新機軸です。アフリカ・アジアからの参加者も迎え、地域ユース会合が世界に開かれた回として記録されます。
こんにちは、中澤です。この記事は Youth LACIGF 2024 を、公式発表・議事録・現地報道にあたって整理した詳報です。忙しい方は上の3行まとめと図解だけでも骨子がつかめます。
大会の基本情報(公式発表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Youth LACIGF 2024 |
| 回次 | 第9回(チリ初開催) |
| 会期 | 2024-11-04 〜 2024-11-06 |
| 会場 | チリ大学カサ・セントラル(本部棟。アラメダ・リベルタドール・ベルナルド・オイギンス通り1058、サンティアゴ)・ハイブリッド開催 |
| テーマ | 地域の共通課題 |
| 参加者 | 対面117人、オンライン含む総参加243人(43カ国)、16セッション。対面参加は域内15カ国からで、ガーナ・シンガポール・オーストラリア・米国・チャド・エチオピア・タンザニア・英国・ナイジェリア・カメルーンなど域外からの参加もあった |
| 主催 | ホスト・共催:チリ大学国際問題研究所(IEI)、ISOCチリ支部、Magliona Abogados。NIC Chileなどデジタルエコシステムの企業・団体が支援 |
(出典: 文末の出典一覧を参照)
ディスカッション・ダイジェスト(議事録より)
現地の議事録・セッション記録から、議論の核心部分を抜粋・翻訳してお届けします。
1. 4年越しのサンティアゴ — 大学がホストするガバナンス週間
取り上げたセッション: 第9回Youth LACIGF全体(11月4〜6日、チリ大学カサ・セントラル)
- 2020年に予定されながらCOVID-19で断念されたサンティアゴ開催が4年越しで実現し、チリ大学国際問題研究所(IEI)・ISOCチリ支部・法律事務所Magliona Abogadosの共催、NIC Chile等の支援という現地体制が組まれました [1][2][4]
- 直後の11月7〜8日には本体LACIGF 17がサンティアゴのテレフォニカビルで開かれ、若者会合(3日間)→本体会合(2日間)という連続週間になりました。若者会合の方が会期が長い点は系列の成熟を象徴しています [1][2][4]
- 対面117人・総勢243人・43カ国は、参加国数で歴代最多。域外(ガーナ、シンガポール、豪州、米国、チャド、エチオピア、タンザニア、英国、ナイジェリア、カメルーン)からの参加も記録されました [1][2][4]
2. 環境×デジタル — 気候変動が初めて主要議題の柱に
取り上げたセッション: テーマ領域「環境の持続可能性と気候変動」ほか(11月4〜6日)
- AIとデータガバナンス、デジタルの権利と自由、サイバーセキュリティと信頼に加え、「環境の持続可能性と気候変動」が系列史上初めて主要テーマ領域に据えられました [2][4][5]
- セッションではAI生成の偽情報、地方の学校における意義ある接続性、デジタル教育を通じた環境サステナビリティ、子どものオンライン安全、自律型兵器システム、先住民コミュニティのデジタルアクセスなどが扱われました [2][4][5]
- チリ大学の学生(パトリシア・カンテロ氏、ノエミ・ヌニェス氏)が「接続された子ども時代とジェンダー多様性——インターネットアクセスの空間をつくる」のパネリストを務めるなど、開催校の学生が登壇者として参画しました [2][4][5]
3. 周縁からの声を中心へ — 先住民・LGBTIQ+・アフロ系の登壇
取り上げたセッション: デジタルの権利と自由トラックの各セッション
「こうした場はまだ萌芽的で歩みも控えめですが、中澤のコミュニティの声、経験、知恵、そして抵抗をともに運び込むために欠かせないものです(スペイン語原文からの翻訳)」
— アリトゥ・バサン・タラベラ(ペルーのデジタル権利団体イペルデレチョ研究コーディネーター) [3][4]
- ペルーのイペルデレチョからトランスジェンダーの研究者として参加したアリトゥ・バサン・タラベラ氏は、性的少数者・アフロ系・先住民など「歴史的に排除されてきた集団」が登壇者としてパネルを構成したことを、参加記で特筆しました [3][4]
- IPANDETEC、ISOCチリ・ブラジル両支部、Technovation Girls Chile、Amaranta ONG、Luchadoras、DataGénero、Derechos Digitalesなど、ジェンダー・デジタル権利系の市民社会組織が多数登壇しました [3][4]
- 「デジタル権利の闘いは、より広い社会正義の闘いと本質的に結びついている」という視点が、この回の議論の通奏低音でした [3][4]
3分ショートトーク — よくある疑問に答えます
Q. この回の一番のニュースは?
A. チリ初開催と、気候変動が初めて主要議題になったことです。2020年にコロナで流れたサンティアゴ開催を4年越しで実現し、参加国数は43カ国と歴代最多になりました。
Q. 本体のLACIGFとはどういう関係?
A. 同じサンティアゴで、若者会合(11月4〜6日)の直後に本体LACIGF 17(11月7〜8日)が続く連続週間でした。今や若者会合の方が会期が長いのが特徴です。
Q. 日本に関係ある?
A. あります。AI偽情報や子どものオンライン安全に加え、デジタルと気候変動を一体で議論する枠組みは、日本のIGF関連会合でも今後の議題設計の参考になります。
Youth LACIGF ってどんな会議?(はじめての方へ)
Youth LACIGFは、地域・国レベルでインターネットガバナンスを議論するIGFイニシアティブのひとつです。
日本の私たちへの影響
この大会の議論は、数年内に日本のデジタル政策・プラットフォームのルール・AI規制に反映 されていきます。2024年大会で確認された方針は、あなたが毎日使うスマホ・SNS・AIサービスの「次のルール」の土台です。
出典・参考資料
- Santiago recibe los eventos regionales de la Gobernanza de Internet Youth LACIGF 2024 y LACIGF 17(11月4〜6日チリ大学本部棟/11月7〜8日テレフォニカビル) — NIC Chile(参照: 2026-07-22)
- IEI fue anfitrión y coorganizador de Youth LACIGF 2024(チリ大学国際問題研究所の開催報告:第9回・チリ初・4テーマ領域・参加国) — チリ大学国際問題研究所(IEI)(参照: 2026-07-22)
- Una voz LGBTIQ+ resiliente del Sur Global en el Foro de Gobernanza Digital #YouthLACIGF2024(参加記:アリトゥ・バサン・タラベラ) — Hiperderecho(ペルー)(参照: 2026-07-22)
- Ediciones anteriores(歴代開催一覧:2024年サンティアゴ・対面117人/総勢243人・43カ国・16セッション) — Youth LACIGF公式サイト(参照: 2026-07-22)
- WEBCAST 4 – 6 NOV – Youth LACIGF Edición 2024(ウェブキャスト告知・セッション一覧) — ISOC Live(参照: 2026-07-22)
※ 記事中の [数字] は出典番号を示します。
関連リンク
- IGF公式(リージョナル/ナショナル一覧): https://www.intgovforum.org/en/content/national-and-regional-igf-initiatives
- 日本IGF: https://japanigf.jp/
- 参考:中澤祐樹ブログ https://nkzw.jp/category/igf/
更新履歴
第1稿投稿 2026年7月17日 21時38分(記事コンテンツアップ)
— 中澤祐樹

