信用創造で、日本のお金の流通が増える(ソース:町田商工会議所)

コロナ融資で経済拡大、GDP拡大

 2020年4月からの2年間で、56兆円の融資が行われました。
情報のソース源は、町田商工会議所の組合員に送付される広報誌です。
広報誌によると、メガバンクが一つ増えた程の規模で、資金が流通した事になります。

GDPの10%に相当

信用創造で日本経済を支える
 日本のGDPが約650兆円(2022年)なので、約10%程度に相当します。
2022年のドルの為替レートでは、GDPが500兆円程だったので、1割ですね。

国の機関が使う「信用創造」とは?

信用創造記事全体
 信用創造とは、流通しているお金、貨幣に対して、それ以上のお金を追加で流通する事により、資金が増やすことを言います。
500兆円流通している中で、日本銀行(以下、日銀)が50兆円の通貨の発行、当座預金を増やす事により、市場に流通するお金は、550兆円になります。
この際、物価や貨幣の価値が落ちない場合、単純にお金が湯水のごとく現れ、増えた事になります。
カルビスに例えると、5倍希釈した際と、6倍希釈した際、味(濃度)が同じだったら、皆さんはどうしますか?
当然、質が同じならば、6倍希釈で、20%多くのカルピスを飲むかと思います。

信用創造でお金が増えるとどうなるか?

 お金の供給が増え、余剰資金が生まれると、投資(レジャーや旅行、株、投資信託)などで、お金を使う事が増えると思います。
お金の循環が良くなり、循環速度が仮に2倍になると、国民や企業の所得が2倍になります。
そうなると、投資をさらに行う事になり、お金の循環、巡りがさらに良くなります。
行き過ぎると、バブル崩壊の様になるので、注意が必要かと思います。

 今回、企業がコロナ融資で、56兆円のお金をもらいました。
借りるではなく、敢えてもらったと言う表現にしておきます。
56兆円のお金は、取引先への外注費や従業員の給料として、お金が使われます。
使われた先の企業や個人では、そのお金で、お買い物して、消費を行います。
お店であれば、商品が売れて、次の商品の開発や調達に資金を使います。
この様に、連鎖的にお金が使われる事により、お金がぐるぐる回り、景気が良くなっていきます。

町田商工会議所の会報誌表紙2023年5月
 コロナの時は、売り上げ減少に伴い、家賃の未払いや従業員への給料未払いが発生する事もありました。
この様な事態では、景気が悪化していきます。
給料をもらえなければ、住宅ローンの返済や家賃の支払い、食料品を買う事が出来ず、お金の巡りが止まってしまいます。
町田商工会議所の記載内容は、こう言った不景気になってしまう状況で、信用創造でお金を増やし、日本経済を支えたという解釈です。

欧州では、働かず信用創造だけで経済を回す議論がされている

 ドイツなど欧州地域では、労働による対価で、生計を立てるのではなく、信用創造で、お金を増やして、自立型の経済に移行する事が議論されています。
フィンランドでは、所得がない無職の場合、ベーシックインカムとして、約10万円を毎月給付する実験が行われています。
社会保障や年金、ハローワークなどの事務コストを廃止できるので、無駄にかかっている経費を節約して、多くを国民に割り当てる事が出来ます。
信用創造によるお金を、ベーシックインカムを支給する事により、労働の有無関係なく、必ずお金が消費されます。
それは、周りに回って、他の誰かにお金が循環していきます。

 信用創造とベーシックインカムの組み合わせで、経済が拡大して行くならば、導入される可能性はあるかもしれません。
既に、日本国では、高齢者の生活保護や本来、受給せず労働できる世代の需給が増えています。
まともに働くより、生活保護を受けた方が、収入が多いという逆転状態にあり、労働意欲を削がれている状態です。
基盤としては、ベーシックインカムに移行した所で、働きたくない人、労働からリタイヤした人が多い状態で、変化はないかもしれません。
専門家による議論は必須ですが、議題に上げて検討するのはありだと思います。

信用創造のコロナ融資の不良債権が増えている

 コロナと言う危機的状況で、政府が迅速に対応したコロナ融資により、信用創造が行われ、経済が維持、拡大しました。
ゾンビ企業や延命企業が、多くのコロナ融資を受けています。
既に表面化していますが、返済不能による不良債権化が増えています。
国としては、不良債権になって、回収できなくとも、信用創造による貨幣の発行であり、痛くもかゆくもありません。
もともと、500兆円しか持っていなかった日本が、650兆円手にしているので、何も気に病む必要はないでしょう。
2024年現在、上場会社の売上高記録、最終利益の記録更新のオンパレードです。

 補助金や給付金頼みは、良くないが、日本の中小企業、中堅企業は、ものづくり補助金などの金額の大きな補助金で、食べている所が多いそうです。
これも、補助金と言う信用創造に近い形式により、経済他成り立っています。
もちろん、アメリカの様に、資本主義の頂点のような成りあがり方を目指すのも非常に良いと思います。
とは言え、信用創造で、無理せずとも経済が拡大できる手段があるならば、資本主義の本質を求めつつ、活用もしながら、経済を拡大して行くのは悪い事ではないと思います。

 実質給付金である融資と言う形にこだわらず、企業にも給付金を恒常的に与え、信用創造における経済拡大を行う事は、悪い事ではないと思います。
日銀や政府は、人口規模が縮小するこの日本のとって、信用創造を活用した経済的成長を議論して欲しい物です。

更新履歴

第1稿投稿 2024年6月1日 15時30分(記事コンテンツアップ、那覇~久米島のフェリー海那の船上から投稿)
第2稿更新 2024年6月1日 16時30分(画像4枚アップ)