利尻島のアカゲラ──樹洞と嘴の記録

アカゲラのオス。赤い後頭部の斑点が鮮明に写る静止姿。利尻島ポン山の遊歩道付近で撮影

2026年5月3日、利尻島のポン山周辺を歩いていたとき、遊歩道脇の枯れ枝に一羽のアカゲラが止まっているのを見つけた。距離はおよそ10メートル。逃げる気配がない。Canon EOS R6のシャッターを切りながら、私はその場に釘付けになった。

飛び立つまでのおよそ4分間、アカゲラは同じ枯れ枝と周辺の幹を行き来しながら、ドラミングと採食を繰り返した。その記録が今回の写真と動画である。


出会い

止まった瞬間から、オスであることがわかった。後頭部の赤い斑点と、腰の朱赤。白黒の羽毛のコントラストが、くっきりと目に入った。枯れ枝の先端付近で体を立て、周囲をうかがっている。急いでR6を構え、連写を始めた。

白樺系の枯れ枝に静止するアカゲラのオス

枯れ枝の上で体を立て周囲をうかがう

幹に向かって頭を傾けはじめた瞬間

嘴を幹に打ち込む動作中

突いた直後に静止

次の動作を見計らう間合い

嘴を枝皮に当てているところ

枯れ枝全体と樹洞の位置関係がわかる構図

幹に張りつくようにして静止


突っつき

採食が本格的になってきた。嘴を幹に打ち込み、数秒静止し、また打ち込む。その繰り返しが延々と続く。電子シャッターの連写でも、嘴が完全に当たった瞬間を捉えることは難しい。1枚1枚確認しながら、動作の切れ目を探していた。

幹の表面を探る採食の集中した表情

頭部を上げた瞬間

枝の上部に体を移した姿勢

嘴を幹に打ち込む瞬間

嘴の先に木屑が見える

羽毛の模様が細部まで確認できるカット

腰の朱赤がわずかにのぞく

幹の割れ目を探るアカゲラ

打ち込む動作直前の予備動作

枯れ枝の先端近くで採食

樹洞をのぞき込む姿勢


嘴が幹に当たる瞬間

採食のクライマックスだった。樹洞の周囲を集中して叩き続ける。後頭部の赤い斑点と目の赤みが同一フレームに収まった瞬間、思わず息を詰めた。連写1000枚のうち、この区間が最も密度が高い。

後頭部の赤い斑点と目の赤みが同時に見える

幹を強く叩いた直後の横顔

嘴だけを幹から離した一瞬

赤い後頭部が鮮明に写る静止姿

別の幹へ移る直前に向きを変える

移動先の幹に取りついた直後

朱赤の腰羽が光の中できれいに出た一枚

体がほぼ垂直になった採食姿勢

幹の表面を嘴でこそぐ動作中

目の赤みと後頭部の赤斑が同一フレームに

腰の朱赤と背中の白い斑点が見えるアングル

次に叩く場所を決めているような間

動画直前、幹をにらんだ姿勢


ドラミング動画①

静止写真では伝わらない、嘴の連打速度がある。動画で初めてわかる部分だと思って撮影しておいた。


ドラミング動画②と、別の幹へ

動画の後もしばらく採食が続いた。採食の一段落した姿勢、後頭部を正面から捉えた構図、幹を伝って下降する動き。4分間の最後、アカゲラは静かに姿勢を低くして、飛び立った。

動画直後の採食が一段落した姿勢

後頭部の赤い斑点が正面から見える構図

幹の表面に顔を近づけた静止

採食を中断して周囲を見回す

雄の特徴がよく出た一枚

動画直前の静止姿

動画終了直後の間合い

幹を伝って下へ向かう動作中

ほぼ真横から捉えた端正な横顔

飛び立つ直前の姿勢、4分間の締めくくり


アカゲラを4分間ほぼ止まらずに撮り続けたのは初めてだった。枯れ枝と樹洞という舞台が固定されていたこと、距離が近かったこと、そして逃げなかったこと──条件がそろった偶然の記録だったと思っている。

2026.05.03 / written by 中澤祐樹