ドコモ口座「docomokouza.jp」が402万円で落札される~オペレーションミスではなく、ドメイン更新による転売~

SNS、ITMedia社のニュースで賑わっているドコモ口座「docomokouza.jp」が402万円で落札されの件の事実を記載します

「docomokouza.jp」の入札画面と落札価格、お名前ドットコムオークションは402万円で落札
 ドメイン実業家、プロフェッショナルの観点で、投稿して行きます。
お名前ドットコム(GMOインターネット)のバックオーダー、ドロップキャッチ、オークションを定点観測しています。
今回話題に上がった「docomokouza.jp」と言うNTTドコモが保有していたドメインのお話になります。

「docomokouza.jp」は402万円で落札
最終的に402万円で落札されました。

 Yahooニュースのトップに取り上げられる、SNSでプチ炎上している、ITMediaのニュースに複数記事になっている状況です。
そこに、イチドメイン実業家としての見解を述べていきます。

ドメインのオークションとは?

 ドメインには、資産価値があり、NTTドコモが運用していたドメインならば、活用の余地が多分にあります。

  • Ahrefs社のDR(ドメインレーティング):55
  • 同上UR(URLレーティング):21
  • Majestic社TF(トラストフロー、信用スコア):10

と言った感じで、JPドメインとしては、比較的価値が高いドメインとなります。

「docomokouza.jp」WayBackMachine(2022年1月15日)
銀行口座、VISAプリペイドと言った金融のドメインであり、アフィリエイトでは、金融、FX、投資、債務整理などお金に関するアフィリエイトサイト運用に、親和性が高いです。
そして、402万円払っても、月の売上が1,000万円のアフィリエイトサイトが運用できれば、1か月でペイ出来ます。
その点に関して、NTTドコモは、ドメインの持つ資産とリスクに関して、ブランド部門、商標管理部門、総務部が機能していなかった事が予想されます。

兼ねてから、理事を務める一般社団法人ギグワーカーでは、その点に関して注意勧告を行っておりました。
消費者庁にも、その旨、書面でお伝えした経緯があります。

ドメインの持つ資産とリスクの表紙_D00601.jpg
ドメインの持つ資産とリスク

お名前ドットコムは、営利目的で、顧客のドメインを勝手に更新して、オークションに出品

有効期限切れを起こした事実はない

WHOIS情報2014年7月2日よりドメインはずっとアクティブ
 「docomokouza.jp」のWHOIS情報を見ると、2014年7月2日より、継続してドメインが利用されている形となります。
有効期限切れを迎えたドメインが、一般開放され、バックオーダー、ドロップキャッチの上、取得された事ではない事を示しています。

Restore(ドメイン回復手続き)は、「2023-08-20 15:34:00」に実施

「docomokouza.jp」は、「pendengDelete」だったが、「2023-08-20_153400」にRestore(リストア、回復手続き)されている(日付拡大)
 「docomokouza.jp」と言うドメインは、有効期限切れで、21日の0時に完全に消滅する予定でした。
私の持つログでは、「2023-08-20 15:34:00」に、Restore(ドメイン回復手続き、リストア)され、ドメインの有効期限が回復しています。

「docomokouza.jp」は、「pendengDelete」だったが、「2023-08-20_153400」にRestore(リストア、回復手続き)されている
こちらが、該当する「docomokouza.jp」のログデータのデータベースのスクリーンショットになります。

お名前ドットコムは、毎月20日の15時台に、月400件ほど、Restore(ドメイン回復手続き)し、オークションで販売している

 お名前ドットコムは、GMOインターネットというドメイン業界でシェア85%程を誇っている圧倒的強者です。
プラットフォーマーです。
公正取引委員会が文句言ってもおかしくないくらいの、圧倒的シェア率です。

 プラットフォーマー故、失効するJPドメインの大多数もお名前ドットコム、及びGMOインターネットグループの管理下にあります。
過去に私も下記2記事を上げており、分析を行っています。

 GMOインターネットの具体的な内情は分かりませんが、一定の指標のオークションで高く売れそうなドメインを毎月400件ほど、顧客であるドメイン所有者に内緒で、Restore(ドメイン回復手続き)している様子です。
それゆえ、必然的に高付加価値のあるドメインは、お名前ドットコムのドメインオークションに多く競売にかけられる事が多いです。

各社報道機関によると、NTTドコモが買い戻した様子

 9月22~25日時点のWHOIS情報を見ると、登録者番号の登録者名が「NTTドコモ」となっていました。
SNS上の画像を参考にさせていただいております。
現在は、WHOISの登録者名は、非公表となっている点、情報源の信ぴょう性のご判断は読者の皆様にお任せします。
どちらにしても、読売新聞、ITmedia社、インプレス社がNTTドコモに取材を行っており、広報が買い戻したと、回答しているので、情報は間違っていないと言えるでしょう。

読売新聞報道

 読売新聞が、(ドコモが「ドコモ口座」ドメインを誤って手放す、ネット競売に…400万円で自ら落札)[https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230929-OYT1T50220/] という報道を行っています。
NTTドコモ、GMOインターネット双方に取材の上、記事にされています。

画像引用:読売新聞『ドコモが「ドコモ口座」ドメインを誤って手放す、ネット競売に…400万円で自ら落札』1

読売新聞『ドコモが「ドコモ口座」ドメインを誤って手放す、ネット競売に…400万円で自ら落札』1

画像引用:読売新聞『ドコモが「ドコモ口座」ドメインを誤って手放す、ネット競売に…400万円で自ら落札』2

読売新聞『ドコモが「ドコモ口座」ドメインを誤って手放す、ネット競売に…400万円で自ら落札』2

ITmedia報道

 ITmediaが、(「ドコモ口座」のドメイン、ドコモが取り戻す 出品の経緯をGMO含め聞いた)[https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/26/news117.html] という報道を行っています。
NTTドコモ、GMOインターネット双方に取材の上、記事にされています。

画像引用:ITmedia報道『「ドコモ口座」のドメイン、ドコモが取り戻す 出品の経緯をGMO含め聞いた』

ITMedia_「ドコモ口座」のドメイン、ドコモが取り戻す 出品の経緯をGMO含め聴いた1

総論

 大手報道機関、中堅IT報道機関が裏を取っているので、私の過去の記事と照らし合わせ、Restore(ドメイン回復手続き)した物を、東証一部上場(プライム市場)の企業が行っているのは、リスクが大きいと感じました。
これが、一度、ドメインが解放され、再取得されたもの(登録日時が当月の1日)であれば、問題の火種とはならなかったでしょう。
上場企業が、顧客の契約期間中に、更新の上、オークションで営利目的で販売した事が、今回の炎上の大きな要因であることは明らかです。

なお、3,000円台で、JPドメインは更新可能です。
もし、一般社団法人ギグワーカーの提唱するドメイン永代供養サービスに、加入していれば、10年間はこの様な、営利目的で、勝手に売られてしまう懸念はなくなります。
また、コストも402万円もかかっており、当然ながら、ドコモ社内での法務や総務での人件費を加味すれば、1,000万円を超えるコストがかかっている事は容易に想像がつきます。
ドメインの永代供養サービスは、1,000万円、402万円という金額からしたら、数%のコストであり、企業はリスクヘッジするべきでしょう。
ドメインは資産であり、リスクも持ち合わせています。
これからは、リスクを考慮して、ドメインの廃棄を選択しないといけない時代です!!

更新履歴

第1稿投稿 2023年9月30日 18時00分(記事コンテンツアップ)
第2稿更新 2023年10月2日 13時10分(JPRSの指示により、レジストラ管理画面で、登録者が「NTTドコモ」となっていスクリーンショット撤回削除)
第3稿更新 2023年10月4日 18時30分(JPRSの指示により、WHOISで登録者が「NTTドコモ」となっていたSNS引用のスクリーンショット撤回削除)
第4稿更新 2023年10月14日 7時30分(NTTドコモが買い戻した情報源として、読売新聞、ITmediaを引用先として追加)